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元レンジャー隊員のブログ

注目の健康食品

アガリクス

「カワリハラタケ」「ヒメマツタケ」とも呼ばれる。ブラジル原産で昔は高額で入手困難だったが、現在では日本でも栽培されるようになった。学名は「アガリクス・ブラゼイ・ムリル(Agaricus Blazei Murrill)」という。

  • こんな人におすすめ
    • 免疫機能の低下が気になる人
    • がんが気になる人
    • 生活習慣病が気になる人
    • 血中のコレステロール濃度が高い人
    • アレルギー症状のある人
  • 成分・作用
    • 約40パーセントがタンパク質で、残りはビタミンB2、D、カリウム、マグネシウム、リノール酸、リン脂質など。きのこ特有の成分で抗がん作用が期待されるβDグルカンを含み、がん細胞の萎縮や消失の臨床例も多数あり。
    • また、免疫細胞を活性化する作用があり、生活習慣病、泌尿器系疾患、自律神経失調症、月経不順、更年期障害にも効果的といわれる。
  • 効能
    • 生活習慣病、がん予防、動脈硬化予防、アレルギー疾患予防。


プロポリス

プロポリスは、ミツバチの唾液と、摂取した樹皮や花粉が合わさってできた物質。天然の抗生物質。

  • こんな人におすすめ
    • 花粉症などアレルギーで悩んでいる人
    • 血圧が高めの人
    • 便秘ぎみの人
    • がんが気になる人
  • 成分・作用
    • プロポリスには各種ビタミン、ミネラルをはじめ脂肪酸、抗菌、抗アレルギー作用や、血液を浄化し細胞の生成を活性化する働きがある。またプロポリスに含まれるクロレダン系の物質ジテルペンに抗がん作用があるとして、1991年にその効果が日本がん学会で証明されている。
    • そのほか、動脈硬化や高血圧にも作用し、ストレスを解消したり便秘に効果があるなど、その効果は多大である。
  • 効能
    • がん細胞の繁殖を抑える、がん予防、アレルギー疾患の改善、血液の浄化。


イチョウ葉

イチョウの葉を乾燥させアルコールにつけてから成分を抽出したもの。

  • こんな人におすすめ
    • アレルギー症状のある人
    • がんや生活習慣病が気になる人
    • アルツハイマーなど加齢にともなう症状のある人
  • 成分・作用
    • イチョウ葉にはカテキンなどフラボノイドが13種類含まれており、強力な活性酸素除去や血管拡張作用があり、がんや脳卒中、糖尿病などの生活習慣病や加齢による症状に効果的である。
    • ほかにも、抗炎症作用もあり、アレルギー症状の改善にも役立つ。ヨーロッパではイチョウ葉エキスは医薬品として扱われている。
  • 効能
    • 生活習慣病、がん予防、動脈硬化予防、高齢者の症状を改善、アレルギー症状の改善。


ウコン

ショウガ科の熱帯アジア原産の多年草。日本では沖縄や九州南部が主な生産地である。別名ターメリックと呼ばれ、カレーなどの香辛料に使われる。

  • こんな人におすすめ
    • 胃腸が弱い人
    • 肝臓病が気になる人
    • がんや生活習慣病が気になる人
    • 二日酔いになりやすい人
  • 成分・作用
    • 主な有効成分である黄色色素のクルクミンが、胆汁や胃酸の分泌促進、肝障害の予防や改善、食品の消化吸収を高める。さらに、抗酸化作用により、血中コレステロールの減少やがん予防効果も期待される。
  • 効能
    • 肝臓病予防、潰瘍の改善と予防、がんや生活習慣病の予防。


クコシ

ナス科の落葉小低木で、日本各地に自生している。乾燥した赤い果実を枸杞子(クコシ)、根と皮を時骨皮(ジコツピ)と呼び、中国では古くから漢方薬として使われてきた。

  • こんな人におすすめ
    • 肝臓病・腎臓病が気になる人
    • 目を酷使する人
    • 生活習慣病が気になる人
    • 冷え性を改善したい人
    • 体力を回復したい人
    • 心臓病が気になる人
  • 成分・作用
    • 主な有効成分である黄色色素のクルクミンが、胆汁や胃酸の分泌促進、肝障害の予防や改善、食品の消化吸収を高める。さらに、抗酸化作用により、血中コレステロールの減少やがん予防効果も期待される。
  • 効能
    • 肝臓病予防、潰瘍の改善と予防、がんや生活習慣病の予防。


黒酢

黒酢は普通の酢とは違い、熟成期間が1~3年と長く、ビタミン、ミネラル、アミノ酸が豊富である。

  • こんな人におすすめ
    • 疲れやすい人
    • アレルギーで悩んでいる人
    • 高血圧を改善したい人
    • 食欲のない人
    • 生活習慣病が気になる人
  • 成分・作用
    • 酢を熟成させることにより、クエン酸やアミノ酸、コハク酸といった有機酸や、ビタミン、ミネラルの含有も増える。これらの成分には新陳代謝を促進させ血行をよくし、血栓をできにくく作用があるため動脈硬化や高血圧に効果がある。また、疲労回復を助け、食欲を増進する作用もある。
  • 効能
    • 血圧を正常にする、食欲増進、肝機能強化。


クロレラ

緑藻類クロレラ科の淡水性単細胞藻。19世紀にオランダの学者により発見され、その後アメリカの航空宇宙局NASAでも宇宙食として検討されたこともある、総合栄養食品。

  • こんな人におすすめ
    • 外食の多い人
    • 血圧が高めの人
    • 肝臓や腎臓が弱い人
    • がんが気になる人
    • 貧血ぎみの人
    • 体を丈夫にしたい人
  • 成分・作用
    • 良質なタンパク質と葉緑素が大量に含まれ、ビタミンB群、ミネラル、カルシウムなどの栄養素も豊富で、総合栄養食品として有効。葉緑素には、肝炎や、膵炎、腎炎を予防する働きがあり、特有の因子(CGF)は成長を促進し細胞を若返らせる効果があるといわれている。しかし過剰摂取は皮膚障害を起こすこともあり注意。
  • 効能
    • 体全体を丈夫にする、肝臓・腎臓の強化、コレステロールの減少。


スッポンエキス

  • こんな人におすすめ
    • スタミナ不足
    • 老化を防ぎたい人
    • 貧血ぎみの人
    • 疲れやすい人
    • イライラする人
  • 成分・作用
    • 滋養強壮食品の代表的存在。淡水にすむカメの仲間であるスッポンは、中国では3000年以上も前から滋養強壮に効果があるとして珍重されてきた。豊富な栄養源が魅力。
  • 効能
    • 疲労や体力の回復、スタミナアップ、骨を丈夫にする、滋養強壮、貧血改善。


コンフリー

ロシアのコーカサス地方で野菜として常食されている牧草で、現地の人たちに長寿が多いことから健康野菜として世界中から注目を浴びている。コンフリーは各種ビタミン、ミネラルが豊富。

  • こんな人におすすめ
    • 貧血で悩んでいる人
    • 内臓機能を高めたい人
    • ぜんそくで悩んでいる人
    • がんが気になる人
  • 成分・作用
    • ビタミンA、B1、B2、B6、C、E、鉄、カルシウムなどのビタミン、ミネラル、また貧血に有効なビタミンB12も豊富に含んでいる。さらに、体中に酸素を送り届け、人体に欠かせない役割をする有機ゲルマニウムという元素も含まれている。
    • ただし、生でコンフリーを食べる場合は、根の部分にはピロリジンアルカロイドという発がん性物質が含まれているので、葉のみ使用する。
  • 効能
    • 貧血の改善、ぜんそくの改善、腎臓・肝臓・すい臓の炎症に効果、抗がん作用もある。


スピルリナ

ビタミン、ミネラルが豊富な総合栄養補助食品。藍藻類の一種で、高塩分、高アルカリの湖に生息している。クロレラとともに総合栄養補助食品として注目されている。

  • こんな人におすすめ
    • 生活習慣が乱れがちな人
    • 野菜嫌いの人
    • 糖尿病が気になる人
    • がんが気になる人
    • 胃腸の調子が悪い人
  • 成分・作用
    • 成分の半分が良質なタンパク質であり、ベータカロチン、ビタミンB群、鉄、亜鉛など各種ビタミン、ミネラルも豊富に含み、消化吸収もよい。
    • また、抗がん物質であるクロロフィルやゼロキサンチンは、がんを抑制する働きがある。しかし、スピルリナに含まれるフェオホルバイドという成分は、まれに皮膚障害を起こすこともあるとされているため、製品を選ぶときは表示がきちんとされているものを選ぶ。
  • 効能
    • 生活習慣病の予防と改善、がん予防、慢性胃炎・胃潰瘍の改善。


ローヤルゼリー

ローヤルゼリーの原料は、働きバチの咽頭腺から分泌される物質で、女王バチのえさになるもの。働きバチが作る奇跡の栄養成分。

  • こんな人におすすめ
    • 老化を防ぎたい人
    • 更年期障害に悩んでいる人
    • 神経症で悩んでいる人
    • がんが気になる人
  • 成分・作用
    • 良質のタンパク質、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれ、現在解明されているだけでも50種類以上の成分を含むことがわかっている。その中で注目される物質はパロチン類似物質とヒドロキシデセン酸。パロチン類似物質は老化防止に、ヒドロキシデセン酸は抗がん作用があるとされている。
    • そのほか、各種成分の相互作用により滋養強壮、神経症など様々な症状の改善に期待がもてる。
  • 効能
    • 老化防止、がん予防、神経症の予防と改善。

その他の栄養成分

食物繊維

第6の栄養素、食物繊維

食物繊維には不溶性と水溶性の2種類がある。

  • 不溶性食物繊維(水に溶けない性質のもの)
    • セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、リグニン、グルカン、アルギン酸などがある。
    • 排便をスムーズにして痔や便秘の改善、また有害物質を吸着して排泄するのでがんのリスクが軽減される。さらに、腸内の善玉菌である、ビフィズス菌や乳酸菌を増やすので有害な悪玉菌の増殖を抑える。
  • 水溶性食物繊維(水に溶ける性質のもの)
    • 植物の細胞中や植物の分泌液に含まれる。ペクチン、リグナン、ムチン、アルギン酸、フコイダン、マンナンなどがある。
    • コレステロールを原料とする胆汁酸を吸着して排出するので、結果的にコレステロールの低減に役立つ。このため、動脈硬化や脂肪肝、脳梗塞、心筋梗塞などの予防につながる。また、ナトリウムを排泄する働きもあり、高血圧の予防にも役立つ。ほかにも、血糖値をゆっくり上げる効果もあり、膵臓の負担を軽減し、糖尿病の予防にも大きな力を発揮している。
  • 1日の所要量
    • 男女とも20~25g(成人の場合・1000kcal に10g)

食物繊維を多く含む食品/100gあたり

  • 不溶性食物繊維
    • べにばないんげん(全粒、乾):25.67g
    • えんどう(グリーンピース、揚げ豆):18.67g
    • ささげ(乾燥):16.67g
    • ライ麦(全粒粉):10.13g
    • 干し柿:12.7g
  • 水溶性食物繊維
    • 白きくらげ(乾):19.3g
    • らっきょう:18.6g
    • 干しわらび(乾):10.0g
    • エシャロット:9.1g
    • かんぴょう(乾):6.8g

食物繊維を取りすぎると、ビタミンやミネラルの吸収を阻害したり、胃弱や胃潰瘍の人は胃腸に負担がかかることもあるので注意が必要である。

その他の栄養成分(解説)

食物繊維¦ DHA⁄EPA¦ キチンキトサン¦ オリゴ糖¦ コラーゲン¦ ポリフェノール¦ レシチン¦ タウリン¦ リノール酸

DHA⁄EPA

青魚に豊富に含まれる有効成分

DHA:ドコサヘキサエン酸
EPA:エイコサペンタエン酸

DHAやEPAは、いわし、さば、あじなど背の青い魚の脂肪に含まれる不飽和脂肪酸のことである。両者とも血管壁のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を減らす作用がある。また、細胞膜の流動性を高めて血管壁細胞をやわらかくし、血流をよくする。

このため、高血圧や高脂血症、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病を予防する効果が期待できる。

DHAは、記憶や学習機能を司る脳細胞の海馬部分に多く存在し、神経細胞の情報伝達をスムーズにするため、学習能力や記憶力が高まるといわれている。この効力から、DHAはアルツハイマー型痴呆や老人性痴呆、血管性痴呆の予防や治療に大きな効果をあげるものと期待されている。

  • 1日の目標摂取量
    • 男女ともDHAは0.5~1g、EPAは特になし
  • DHA⁄EPAを食事でとるなら
    • うなぎの蒲焼き:DHA1.5g、EPA0.9g
    • すじこ:DHA2.2g、EPA1.9g
    • あじ:DHA0.7mg、EPA0.6g
    • さば:DHA1.8g、EPA1.2g
    • ぶり(切り身):DHA1.8g、EPA0.9g

EPAは、血液が固まって血栓ができるのを予防し、血流をよくする作用がDHAよりあるが、EPAの取りすぎは血液を凝固する作用が低下して、出血した血が止まりにくくなるという過剰症のもととなる。サプリメントで取る場合は注意が必要である。

その他の栄養成分(解説)

食物繊維¦ DHA⁄EPA¦ キチンキトサン¦ オリゴ糖¦ コラーゲン¦ ポリフェノール¦ レシチン¦ タウリン¦ リノール酸

キチンキトサン

かにの甲羅からつくられる食物繊維

キチンキトサンは、かにの甲羅からつくられる動物性の食物繊維である。キチンはかにやえびの甲羅、いかや貝などの器官、きのこ類の細胞壁などに含まれる多糖類である。キチンキトサンの原料として一般に利用されているのはかにの殻で、タンパク質とカルシウムに分解したものをキチンと呼び、さらにそれを濃いアルカリ溶液に浸すと、約80パーセントがキトサンという物質に変化する。総称してキチンキトサンという。

キチンキトサンにはマクロファージ(生体の防御システム)を活性化させる働きがある。マクロファージが活性化すると、体の免疫力が強化され、病気にかかりにくくなる。かかっても自然治癒力が高まっているので、体自身がもつ力で治る。全身の抵抗力がアップするので、がんをはじめ様々な慢性疾患、感染症などを防ぎ、治す効果がある。

一般の食事でも、えびをまるごと揚げたり、炒めたりして殻ごと食べるとキチンキトサンは十分に摂取できる。

  • 健康食品としての主な効能
    • 細胞を活性化する
    • 血糖値の上昇を抑える
    • コレステロールを低減したり調整する
    • 発がん物質や放射性物質、重金属を取り除く
    • 高い抗がん、抗腫瘍効果をもち、がんの転移や増殖を抑える
    • 貧血を改善する
    • 腎機能を正常に保つ
    • 便秘を解消する
    • 血液をサラサラにし、動脈硬化を防ぐ
    • 血圧を下げる
    • 口臭を防止する
    • 肝機能を強化する
    • 神経痛やリウマチ膠原病を改善する
    • カルシウムの吸収を促進し、骨粗鬆症を改善する
    • 中性脂肪を低減させて肥満を防ぐ
    • ぜんそくやアトピーなどのアレルギー疾患を改善する
    • 自律神経失調症や更年期障害を改善する
  • 1日の目標摂取量
    • 特に定められていない
  • キチンキトサンを食事でとるなら
    • えび:干しえびやさくらえびの殻に豊富に含まれる
    • いか:いかの外皮や軟骨に豊富
    • かに:さわがにならまるごと調理
    • きのこ類:甲殻類だけでなくきのこ類も供給源になる

その他の栄養成分(解説)

食物繊維¦ DHA⁄EPA¦ キチンキトサン¦ オリゴ糖¦ コラーゲン¦ ポリフェノール¦ レシチン¦ タウリン¦ リノール酸

オリゴ糖

バツグンの整腸作用をもち、砂糖の代わりにもなる糖質

オリゴ糖は、消化酵素で分解しにくい糖質で、小腸で吸収されずにそのまま大腸まで到達し、ビフィズス菌などの腸内善玉菌の栄養源となって善玉菌を増やす。このため、発がん物質や悪臭物質を生成する悪玉菌の活動が抑制され、腸内の健康が保たれる。

オリゴ糖は、便秘解消や高脂血症の改善、大腸がんの予防、免疫力の強化などに力を発揮する。

オリゴ糖の種類と効能

オリゴ糖には様々な種類があるが、代表的なものとして次のようなものがある。

  • フラクトオリゴ糖
    • 玉ねぎやごぼう、にんにくなどに含まれるオリゴ糖。消化吸収されにくく、低カロリーである。虫歯になりにくく、便秘解消や生活習慣病の予防に有効。
  • イソマルトオリゴ糖
    • はちみつや味噌、酒などに含まれ、酵母発酵しない性質をもつので、非発酵性糖とも呼ばれる。虫歯になりにくく、善玉菌だけを増やし、腸内を健康に保つ。
  • 大豆オリゴ糖
    • 大豆に含まれているオリゴ糖。熱や酸にも強く、少量でもビフィズス菌を増やす。低エネルギー。
  • ガラクトオリゴ糖
    • 乳糖をアルカリ処理して作る。ビフィズス菌を増やし、便通を整える。
  • キシロオリゴ糖
    • 大便の水分を理想的な80パーセントに調整し便通を整える。たけのこに少量含まれている。

このほか、ゲンチオオリゴ糖、マルトオリゴ糖、環状オリゴ糖などがある。作用はほぼ同じ。

  • 1日の目標摂取量
    • 特に定められていない

その他の栄養成分(解説)

食物繊維¦ DHA⁄EPA¦ キチンキトサン¦ オリゴ糖¦ コラーゲン¦ ポリフェノール¦ レシチン¦ タウリン¦ リノール酸

コラーゲン

細胞と細胞の間をつなぐ接着剤

コラーゲンは、体内のタンパク質の30~40パーセントを占め、細胞や組織をつなぎあわせる接着剤の役割をし、体の形成や機能の正常化に不可欠の成分である。

  • 効能
    • コラーゲンは動物の骨や軟骨などに豊富に含まれ、この抽出エキスは健康食品やクリーム、ローションなどの化粧品に利用されている。細胞や組織間をつないだり、酸素と栄養を配給し老廃物を除去する働きがあるので、みずみずしくハリのある肌を保つ。コラーゲンは骨や目の水晶体、角膜にも存在し、目の疲れや乾きを癒し、骨を丈夫にするなどの効果もあるといわれている。
  • コラーゲンを多く含む食品
    • 鶏肉(手羽、ガラ、胸肉、砂肝、レバー)、豚肉(ひき肉、豚足、豚耳、スペアリブ)マトン、かれい、牛すじ、えび、ふかひれ、どじょう、なまこ、貝類
  • 1日の目標摂取量
    • 特に定められていない

その他の栄養成分(解説)

食物繊維¦ DHA⁄EPA¦ キチンキトサン¦ オリゴ糖¦ コラーゲン¦ ポリフェノール¦ レシチン¦ タウリン¦ リノール酸

ポリフェノール

活性酸素に打ち勝つ抗酸化物質

ポリフェノールとは、植物が光合成を行なう際にできる物質の総称のことである。ポリフェノールという固有名詞をもつ、一つの物質があるわけではない。ほとんどの植物に含まれている成分で、その種類も約4000種と豊富である。

お茶の渋みや苦味はカテキン、タンニン。ビールのホップに含まれるフラボノイド。ブルーベリーのアントシアニンなどポリフェノールの仲間は多い。ポリフェノールは赤ワインで有名だが、フランス人に心臓病が少ないのは、日常的に赤ワインから多種類のポリフェノールを摂取しているからということで、1990年代になって注目を浴び始めた。

  • 効能
    • ポリフェノールはすべて、強力な抗酸化作用をもっており、活性酸素を除去して生活習慣病やがん、老化を防ぐ。その力はビタミンEよりも強く、細胞内でも細胞間でも細胞膜上でもオールラウンドに働く。
  • ポリフェノールを多く含む食品/100gあたり
    • 赤ワイン:300mg
    • バナナ:292mg
    • マンゴー:260mg
    • ブルーベリー:250mg
    • しゅんぎく:211mg
    • ミルクチョコレート:100mg
  • 1日の目標摂取量
    • 特に定められていない

その他の栄養成分(解説)

食物繊維¦ DHA⁄EPA¦ キチンキトサン¦ オリゴ糖¦ コラーゲン¦ ポリフェノール¦ レシチン¦ タウリン¦ リノール酸

レシチン

血管の詰まりを溶かし、記憶に関する物質を作るリン脂質

レシチンはホスファチジルコリンとも呼ばれるリン脂質の一種で、生体膜や脳、神経組織の構成部分として重要な働きを担っている。自然界に広く分布しており、卵黄や大豆、精白米、ピーナッツ、酵母などに多く含まれている。

  • 効能
    • レシチンは水と油を乳化させる働きがあり、血液中のコレステロールを肝臓に運んで排出を促す。このため、動脈硬化を防ぐ効果がある。また、脳細胞や神経細胞を活性化し、記憶力や集中力を高める。老人性痴呆にも有効である。
  • レシチンを多く含む食品/100gあたり
    • 卵:卵1個中に197mg含まれるが特に卵黄に多い。
    • 大豆:30gには600mg含有。大豆レシチンが豊富。
    • 納豆:1パック(50g)に95mg含む。
    • ピーナッツ:100g中の含有量は1113mg。食べすぎには注意。
  • 1日の目標摂取量
    • 特に定められていない

その他の栄養成分(解説)

食物繊維¦ DHA⁄EPA¦ キチンキトサン¦ オリゴ糖¦ コラーゲン¦ ポリフェノール¦ レシチン¦ タウリン¦ リノール酸

タウリン

魚や貝類に豊富に含まれ、血圧を正常にコントロールするアミノ酸

アミノ酸の一種であるタウリンには、交感神経抑制作用があり、食塩の取りすぎが原因で起こる高血圧を改善する作用がある。また、血圧を正常に調整し、血中の総コレステロール値を下げて、善玉コレステロールを増やす。

  • 効能
    • 高血圧が原因で起こる脳卒中や動脈硬化症、高コレステロール血栓、心不全、心臓病などを予防する。ほかにも、肝臓の機能を高め、肝臓の解毒作用も強化したり、気管支ぜんそくの改善や乳児の脳神経の発達にも重要な働きをする。
  • タウリンを多く含む食品/100gあたり
    • さざえ:1536mg
    • とこぶし:1250mg
    • ほたて貝:1006mg
    • はまぐり:889mg
    • たこ(真だこ):871mg
  • 1日の目標摂取量
    • 特に定められていない

その他の栄養成分(解説)

食物繊維¦ DHA⁄EPA¦ キチンキトサン¦ オリゴ糖¦ コラーゲン¦ ポリフェノール¦ レシチン¦ タウリン¦ リノール酸

リノール酸

人間のエネルギー源である脂肪酸のうちのひとつ

リノール酸は、体内では合成できない必須脂肪酸のひとつである。動脈硬化の予防などの効能があるが、取りすぎるとかえってコレステロールを増やしてしまうので過剰摂取に気をつけたい。

リノール酸は酸化しやすく、体内で過酸化脂質を作りやすいという欠点がある。さらに、リノール酸から合成されるアラキドン酸には、アレルギー症状を増進させる、発がんを促す、などの働きがある。肺がんや、大腸がん、乳がんなどの欧米型のがんが日本でも増えた背景には、リノール酸の過剰摂取があると考えられている。

リノール酸は普通の食生活をしていればまず欠乏することはない。逆に、過剰摂取のほうが問題であるので、リノール酸を多く含む油は使わないようにしたほうがよい。

  • 過剰症
    • がん、動脈硬化、アレルギー、老化、ボケなどを促進する。免疫力を低下させ、病気に対する抵抗力を弱める。
  • リノール酸を多く含む食品/100gあたり
    • サフラワー(紅花)油:72.3g
    • ひまわり油:65.8g
    • 綿実油:53.5g
    • とうもろこし油:47.3g
    • ごま油:42.0g
  • 1日の目標摂取量
    • 1日の総エネルギーの20~25パーセント

その他の栄養成分(解説)

食物繊維¦ DHA⁄EPA¦ キチンキトサン¦ オリゴ糖¦ コラーゲン¦ ポリフェノール¦ レシチン¦ タウリン¦ リノール酸

ミネラルとは?

ミネラルは糖質や脂質、タンパク質、ビタミンとともに5大栄養素の一つに数えられる。日本語では「鉱物」、「無機質」と呼ばれ、自然界に存在する単一の成分、つまり元素である。

人体を構成している元素は約60種類といわれている。このうち、酸素、炭素、水素、窒素の4元素で全体の96パーセントを占めるが、この4元素を除いた残りの4パーセントにあたる元素をミネラルと呼ぶ。

ミネラルは、骨や歯の構成成分として、また有機質と結合し、体の組織を作るうえでなくてはならない栄養素である。また、ミネラルは体の調節機能に働くなど、体の潤滑油としても重要な役割を果たしている。

ミネラルは体内で合成することができないため、食べ物から摂取するしかない。摂取量が不足すると欠乏症が起き、様々な病気の引き金になる。かといって、むやみにたくさん取ればいい、というものではなく、取りすぎると過剰症を引き起こす。

たとえば、鉄、亜鉛、銅、マンガンなどの微量元素は、必要量のわずか数倍で中毒症を招く。ナトリウムは、日本人は過剰に摂取しており、高血圧や脳卒中の原因となっている。

また、ミネラルは、他のミネラルとのバランスが大切で、特定のミネラルだけ多く摂取するのはかえって体の害になる。たとえば、リンを多く摂取すると、カルシウムの吸収が悪くなり、骨が弱くなる原因を作ってしまう。さらにカルシウムとマグネシウムのバランスが悪いと虚血性心疾患の原因に、カリウムとナトリウムのバランスが悪いと高血圧の原因になると考えられている。

各種ミネラル(解説)

カルシウム¦ リン¦ マグネシウム¦ ¦ ナトリウム¦ カリウム¦ セレン¦ 亜鉛¦ ヨウ素(ヨード)¦ マンガン

カルシウム

強い骨と歯をつくり、精神の安定にも役立つ

  • 分類
    • 多量元素
  • 元素記号
    • Ca
  • 1日の所要量
    • 男性700mg、女性600mg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • 丈夫な骨と歯の形成、精神安定、高血圧や動脈硬化の予防。
  • 欠乏症
    • 骨粗鬆症、老人性痴呆、骨、歯の形成障害。
  • カルシウムを多く含む食品/100gあたり
    • 田作り:2500mg
    • 干しえび:7100mg
    • どじょう:1100mg
    • わかさぎ:450mg
    • エメンタルチーズ:1200mg
    • 白ゴマ:1200mg
    • ほしひじき:1400mg
  • カルシウム不足に気をつけたい人
    • インスタント麺、清涼飲料水、甘い菓子をよくとる
    • 肉は好きだが野菜は嫌い
    • 野菜、小魚、乳製品を食べない
    • 胃、肝臓、腎臓が弱い
    • 日光に当たらない
    • 利尿剤や下剤をよく飲む
    • 妊婦、授乳婦、発育期、更年期、高齢者

各種ミネラル(解説)

カルシウム¦ リン¦ マグネシウム¦ ¦ ナトリウム¦ カリウム¦ セレン¦ 亜鉛¦ ヨウ素(ヨード)¦ マンガン

リン

過剰摂取も問題とされるミネラル

  • 分類
    • 多量元素
  • 元素記号
  • 1日の所要量
    • 男女とも700mg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • カルシウムと結合して骨や歯を作る。脳や神経、筋肉の機能を正常にする。
  • 欠乏症
    • 骨、歯の発育障害。
  • 過剰症
  • 加工食品の添加物として多用されているため、摂取不足よりも過剰摂取が問題とされている。レトルト食品や加工食品、外食が多い人は、過剰摂取 が懸念される。リンが過剰に摂取されると、カルシウムの吸収や排泄に影響を与えるだけでなく、副甲状腺機能の亢進や骨代謝障害が心配される。腎臓が悪い人や骨粗鬆症の人は、リンの摂取を制限しなければならない。
  • リンとカルシウムは1対1の割合で取るのが理想とされる。カルシウムに対するリンの摂取割合が高くなると、カルシウムの吸収率が低下してし まう。さらに、リンが過剰に血中に存在すると、バランスをとろうとして骨に貯蔵していたカルシウムを血液中に放出してしまう。
  • リンの過剰摂取には注意が必要である。
  • リンを多く含む食品/100gあたり
    • 田作り:2300mg
    • するめ:1100mg
    • 小麦胚芽:1100mg
    • うるめいわし:290mg
    • きびなご:240mg

  • 各種ミネラル(解説)

    カルシウム¦ リン¦ マグネシウム¦ ¦ ナトリウム¦ カリウム¦ セレン¦ 亜鉛¦ ヨウ素(ヨード)¦ マンガン

    マグネシウム

    カルシウムとのバランスが大事

    • 分類
      • 多量元素
    • 元素記号
      • Mg
    • 1日の所要量
      • 男性310mg、女性250mg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • カルシウムとの相互作用で神経を安定させ、ストレスを解消するミネラル。
      • 心臓などの循環器系の健康を守り、骨や歯を強くする。
      • 筋肉痛や疲労を回復したり、狭心症や心筋梗塞など心疾患を予防する。
    • 欠乏症
      • 神経過敏症、妄想、錯乱、虚血性心疾患、テタニー(筋肉のけいれん)
    • マグネシウムを多く含む食品/100gあたり
      • ごま:370mg
      • こんぶ:510mg
      • アーモンド:310mg
      • カシューナッツ:240mg
      • 玄米:110mg
      • 納豆:100mg
      • 牡蠣(カキ):74mg
    • マグネシウム不足に気をつけたい人
      • 大量のアルコールを飲む
      • 肉は好きだが野菜は嫌い
      • コーヒーや紅茶をよく飲む
      • 甘いものや清涼飲料水をよくとる
      • 牛乳やカルシウムをとりすぎる
      • 激しいスポーツをする
      • 利尿剤やピルを飲んでいる
      • 糖尿病や腎障害がある
      • 妊娠中である

    各種ミネラル(解説)

    カルシウム¦ リン¦ マグネシウム¦ ¦ ナトリウム¦ カリウム¦ セレン¦ 亜鉛¦ ヨウ素(ヨード)¦ マンガン

    体内に酸素を運び、貧血を予防する

    • 分類
      • 微量元素
    • 元素記号
      • Fe
    • 1日の所要量
      • 男性10mg、女性12mg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • ヘモグロビンの構成物質として体じゅうに酸素を供給している。貧血を予防。粘膜の免疫力を高める。
    • 欠乏症
      • 鉄欠乏性貧血、脳障害。

    鉄は体の中で繰り返し利用されるため、原則的には排泄で失われる1日1mg補充すれば、欠乏症は起こらない。現に、男性や閉経後の女性には、鉄の欠乏はあまりみられない。しかし、閉経前の女性の場合は、毎月の月経で体外に鉄分が放出されてしまうため、男性よりも多くの鉄を摂取する必要がある。特に月経過多の人、子宮筋腫や痔などで出血が多い人は、気をつけて摂取する必要がある。

    鉄欠乏性貧血になると、赤血球のヘモグロビンの量が低下し、体内に酸素を十分に供給することができなくなり、皮膚は青白くなり、息切れや動悸、疲労感、無力感、食欲不振に陥る。さらに舌や口の角が赤くただれたり、感染症にもかかりやすくなる。

    • 鉄を多く含む食品/100gあたり
      • 干しひじき:55.0mg
      • きくらげ:35.2mg
      • かわのり(素干し):61.3mg
      • やつめうなぎ:2.0mg

    各種ミネラル(解説)

    カルシウム¦ リン¦ マグネシウム¦ 鉄¦ ナトリウム¦ カリウム¦ セレン¦ 亜鉛¦ ヨウ素(ヨード)¦ マンガン

    ナトリウム

    とりすぎは高血圧の原因となる

    • 分類
      • 多量元素
    • 元素記号
      • Na
    • 1日の所要量
      • 男女とも10g以下(食塩にして)(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 血液や細胞間液などの濃度を調整する。カルシウムやタンパク質を血液に溶けやすくする。
    • 欠乏症
      • 欠乏症は起こりにくい。

    ナトリウムの目標摂取量は、成人1人1日あたり10g以下とされているが、できれば6g以下が理想といわれている。しかし、味噌やしょうゆを多用する日本型の食生活では10gの目標摂取量に抑えることは容易ではなく、日本では成人1人1日あたりの食塩摂取量は12~15gと報告されており、目標摂取量を上回っている。

    通常の生活を営んでいる限り、欠乏症はないが、下痢や嘔吐、発汗、副腎機能の低下などの症状があるときは注意。

    また、本来ナトリウムは摂取量が多いと尿などから排泄され、少ないと排泄量が抑えられる仕組みになっているので、過剰症はないが、慢性的にナトリウムを取りすぎている状態が続くと、高血圧、胃潰瘍、動脈硬化などを招くことになるので気をつける必要がある。

    • ナトリウムを多く含む食品/100gあたり
      • 即席中華麺:2700mg
      • 干しうどん:1700mg
      • 塩いわし:2400mg
      • 梅干し:8700mg
      • さきいか:2700mg

    各種ミネラル(解説)

    カルシウム¦ リン¦ マグネシウム¦ ¦ ナトリウム¦ カリウム¦ セレン¦ 亜鉛¦ ヨウ素(ヨード)¦ マンガン

    カリウム

    余分なナトリウムを排出して血圧を下げる

    • 分類
      • 多量元素
    • 元素記号
    • 1日の所要量
      • 男女とも2g(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 細胞の内側の体液の濃度を調整。筋肉がエネルギーを作り出すときに不可欠。
    • 欠乏症
      • 筋力低下、いらだち、食欲不振。

    ナトリウムを過剰摂取し、なおかつカリウムが不足していると、本来ナトリウムが存在しない心臓や筋肉の細胞内にナトリウムが増え、心筋の働きが鈍り、不整脈や心不全を引き起こしやすくなる。

    また、全身の筋肉にも脱力感が生まれ、無気力や、食欲不振、夏バテなどになりやすくなる。

    • カリウムを多く含む食品/100gあたり
      • 真こんぶ:3200mg
      • わかめ(乾):5200mg
      • ほうれん草:690mg
      • 黒いも:640mg
      • 芽キャベツ:610mg

    各種ミネラル(解説)

    カルシウム¦ リン¦ マグネシウム¦ ¦ ナトリウム¦ カリウム¦ セレン¦ 亜鉛¦ ヨウ素(ヨード)¦ マンガン

    セレン

    抗酸化作用で細胞組織の酸化を防ぐ

    • 分類
      • 微量元素
    • 元素記号
      • Se
    • 1日の所要量
      • 男性50~60µg、女性45µg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 抗酸化作用で老化の進行を遅らせたり、動脈硬化やがんを抑制したり、血行障害や更年期障害の症状を改善したりする。
    • 欠乏症
      • 心筋症、筋肉の虚弱。

    魚介類や穀類をたくさん食べている日本人は、セレンの欠乏症はほとんどなく、むしろ過剰症が心配だという指摘がある。取りすぎると中毒症を起こすため、1日250µg以上は好ましくないとされている。

    中毒症状としては、吐き気、皮膚の荒れ、脱毛、肝硬変、貧血などがあり、急性中毒では、腹痛、呼吸器障害などがある。このような症状は薬剤などによる過剰摂取が原因とされ、普段の食事から取っていれば心配はない。

    • セレンを多く含む食品/100gあたり
      • わかさぎ:124µg
      • まいわし:118µg
      • かれい:66µg
      • ほたて:72µg

    各種ミネラル(解説)

    カルシウム¦ リン¦ マグネシウム¦ ¦ ナトリウム¦ カリウム¦ セレン¦ 亜鉛¦ ヨウ素(ヨード)¦ マンガン

    亜鉛

    細胞の生成や体の発育に欠かせないミネラル

    • 分類
      • 微量元素
    • 元素記号
      • Zn
    • 1日の所要量
      • 男性11~12mg、女性9~10mg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 細胞分裂を正常に保ち、肌荒れや脱毛、爪の異常を防ぐ。
      • 脳の機能を活性化して学習能力の向上。
      • 生殖器官の発達、維持に関与。
      • がんや老化を防ぐ。
    • 欠乏症
      • 味覚、臭覚の低下、成育、生殖機能の低下。

    亜鉛が不足すると、細胞の生成が滞り、皮膚や骨格の発育と維持が遅れる。ほかにも、性ホルモンをはじめとするホルモンの活性にも影響を与えたり、傷の回復が遅れたり、脱毛や爪に白い斑点ができるなど、様々な器官に影響が出る。

    男性の精力低下やインポテンツなども、亜鉛不足が原因で起こることもある。ちなみに、アメリカでは各種ホルモンなど、性に深く関与しているミネラルということで、セックスミネラルとも呼ばれている。

    • 亜鉛を多く含む食品/100gあたり
      • 牡蠣(カキ):13.2mg
      • 豚レバー:6.9mg
      • パルメザンチーズ:7.3mg
      • かぼちゃの種:7.7mg
      • 牛肉の赤身(もも):4.4mg
      • うなぎの蒲焼き:2.7mg
      • 豚肉(もも、焼き):3.1mg

    各種ミネラル(解説)

    カルシウム¦ リン¦ マグネシウム¦ ¦ ナトリウム¦ カリウム¦ セレン¦ 亜鉛¦ ヨウ素(ヨード)¦ マンガン

    ヨウ素(ヨード)

    甲状腺ホルモンの原料になり、発育を促進する

    • 分類
      • 微量元素
    • 元素記号
    • 1日の所要量
      • 男女とも150µg(30~49歳の場合)
    • 効能
    • のどぼとけの下にある蝶が羽を広げたような形をしている甲状腺からは、甲状腺ホルモンが分泌されている。この甲状腺ホルモンには、細胞の新陳 代謝を活発にする働きがある。
    • 甲状腺ホルモンが正常に働くと、交感神経の感受性を高め、タンパク質や脂質、糖質の代謝を活発にする。ほかにも、呼吸の促進や心拍数の増加、 皮膚や髪を健康に保つなど、多様な作用を持っている。
    • 欠乏症
      • 甲状腺腫、甲状腺機能障害。

    ヨウ素は不足しても、過剰に摂取しても、のどの甲状腺がはれる甲状腺腫と呼ばれる病気を招くことがわかっている。

    ヨウ素は世界的に不足しているミネラルといわれるが、日本ではヨウ素不足はほとんどみられない。なぜなら、ヨウ素の主な供給源は海産物だからである。日本人は海産物をよく食べているので、不足よりも取りすぎに注意が必要といわれている。1日3000µgを超えると過剰による甲状腺腫が心配されるという。

    • ヨウ素を多く含む食品
      • わかめ、こんぶなどの海藻類からが80パーセント、その他が魚介類や穀類、肉類、 卵類となっている。

    各種ミネラル(解説)

    カルシウム¦ リン¦ マグネシウム¦ ¦ ナトリウム¦ カリウム¦ セレン¦ 亜鉛¦ ヨウ素(ヨード)¦ マンガン

    マンガン

    酵素の活性化や性機能に関係する「愛情ミネラル」

    • 分類
      • 微量元素
    • 元素記号
      • Mn
    • 1日の所要量
      • 男性4mg、女性3~3.5mg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 骨の形成や糖質、脂質、タンパク質の代謝に関与。
      • 疲労やストレスを和らげる。
      • 記憶力を増進させる。
    • 欠乏症
      • 生殖機能の低下、疲労感

    マンガンが不足すると、性ホルモンの合成能力が低下したり、妊娠能力が低下することがわかってきている。マンガンが入っていないえさを食べたウサギは、子どもを産んでも育てないというところから、マンガンは「愛情ミネラル」ともいわれているようである。

    マンガンが欠乏している動物から生まれた子は、運動機能失調や平衡機能障害がみられ、高マンガンを与えられた動物から生まれた子には、運動機能失調がみられないことがわかっている。

    • マンガンを多く含む食品/100gあたり
      • 小麦(輸入、硬質):4.09mg
      • ヘーゼルナッツ:5.24mg
      • あゆ(天然、焼き):6.19mg
      • 強力粉(全粒粉):4.02mg
      • いたや貝:4.90mg

    マンガンは土壌の中に含まれているので、土壌から栄養を吸収する植物性食品に多く含まれ、動物性食品には少ない傾向がある。日本人の場合、マンガンの不足はみられないが、摂取の上限量は10㎎と定められている。過剰症は通常の食生活ではないが、大量に摂取すると中毒を起こすとされる。

    各種ミネラル(解説)

    カルシウム¦ リン¦ マグネシウム¦ ¦ ナトリウム¦ カリウム¦ セレン¦ 亜鉛¦ ヨウ素(ヨード)¦ マンガン

    ビタミン13種類

    ビタミンとは?

    ビタミンは、栄養素としての必要量は微量であるが、生命活動を行うのに不可欠な、体内の化学反応を円滑にする酵素をサポートしている。

    ビタミンは、A、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの13種類があり、水に溶ける水溶性と、油に溶ける脂溶性に分けられる。水溶性は必要量以上に摂取しても尿として排泄されるので問題ないとされるが、脂溶性ビタミンは過剰摂取すると体内に蓄積され、頭痛や吐き気などの副作用が出ることがあるので注意したい。

    水溶性ビタミン

    ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸 葉酸、ビオチン、ビタミンC

    脂溶性ビタミン

    ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK

    ビタミン13種類(解説)

    ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK

    ビタミンA

    • 化学名
      • レチノール/脂溶性ビタミン
    • 1日の所要量
      • 男性600µg、女性540µg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 夜盲症、角膜の乾燥、肌荒れ、粘膜を強化することによるカゼの予防。
    • ビタミンAを多く含む食品/100gあたり
      • うなぎの蒲焼き:1500µg
      • マーガリン:1800µg
      • ほうれん草(生):700µg

    動物性食品に含まれるビタミンAは吸収率が良いが、緑黄色野菜などの植物性食品に含まれるベータカロチンの効率の良い摂取方法は、油を使った調理が良い。

    ビタミンAの摂取には、体内でビタミンAに変化するベータカロチンを摂取すると良い。ビタミンAは大量に取ると過剰症になる場合があるが、ベータカロチンなら体内にビタミンAが十分にあれば変化せず、徐々にビタミンAに変わる。また、このベータカロチンは活性酸素と戦う抗酸化ビタミンとも呼ばれている。

    カロチンには、αアルファ、βベータ、γガンマの3種類がある。食品中に含まれるのはベータカロチンが大部分なので、食品成分表にはベータカロチンが取り上げられている。疫学調査では、ベータカロチンの摂取が多いと、肺がん、胃がん、子宮頸部がんの発生率が少ないと報告されている。

    • ベータカロチンを多く含む食品/100gあたり
      • モロヘイヤ:10000µg
      • 西洋カボチャ:4000µg
      • にんじん:8200µg
      • しゅんぎく:4500µg
      • あしたば:5300µg

    ビタミン13種類(解説)

    ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK

    ビタミンB1(ビタミンB群)

    • 化学名
      • チアミン/水溶性ビタミン
    • 1日の所要量
      • 男性1.1mg、女性0.8mg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 疲労回復、脳の活性化、欠乏症に脚気やウェルニッケ脳症がある。
    • ビタミンB1を多く含む食品/100gあたり
      • 豚肉(ヒレ):0.94mg
      • 豚肉(もも、脂身なし):0.96mg
      • 落花生(乾):0.85mg
      • 焼き豚:0.85mg
      • うなぎの蒲焼き:0.75mg
      • たらこ:0.71mg

    ビタミンB1は水に弱いという性質がある。汁を逃がさない炒め物、汁も飲めるスープなどの調理法だと効率よく摂取できる。

    ビタミンB1は米ぬかに多く含まれているが、日本人はそれを取り除いた白米を主食にしているため、ビタミンB1が不足がちになりやすい。糖質(米)の多い食事をすると、それをエネルギーに変えるビタミンB1の必要量も多くなる。効率よく取るには玄米や胚芽精米にするのも一つの方法である。

    ビタミンB1が不足すると、いくら糖質を摂取してもエネルギーに変えることができず、乳酸やピルビル酸などの疲労物質がたまり、疲れやすくなる。

    脳や神経機能を正常に保つためにも、やはり十分なエネルギー補給が必要。脳にエネルギーが行き渡らなくなると、神経が正常に機能せず、手足がしびれたり、運動能力の低下、眠気や精神の不安定を招く。

    欠乏症の代表的なものに脚気とウェルニッケ脳症がある。

    脚気は手足がしびれたり、疲労感、動悸、息切れ、食欲不振、むくみなどの症状があるが、脚気と気づかずにそのままにしていることもよくあるという。

    ウェルニッケ脳症は眼筋マヒや歩行運動失調、ケイレン発作、やがて昏睡に至る病気で、アルコールを飲みすぎる人がかかりやすいといわれており、アルコール依存症との関係も注目されている。ビタミンB1による治療で、ある程度症状は回復するが、コルサコフ病(記憶の錯誤、見当識の悪さ、作り話などを伴う精神疾患)に移行してしまうと回復は難しいとされている。

    ビタミン13種類(解説)

    ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK

    ビタミンB2(ビタミンB群)

    • 化学名
      • リボフラミン/水溶性ビタミン
    • 1日の所要量
      • 男性1.2mg、女性1.0mg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 糖質、脂質、タンパク質の代謝を促す。肌荒れやニキビ予防。
    • ビタミンB2を多く含む食品/100gあたり
      • やつめうなぎ:0.85mg
      • 豚レバー:3.60mg
      • 牛レバー:3.00mg
      • 鶏レバー:1.80mg
      • うなぎの蒲焼き:0.74mg

    ビタミンB2は、熱に強いが光に弱いという特徴がある。そのため加熱調理では栄養素はあまり減少しないが、食品は直射日光を避け、冷暗所に保存する必要がある。

    糖質、脂質、タンパク質からの生成に広くかかわっているビタミン。運動したり、肉体労働をする人は、ビタミンB2の必要量が増加する。不足すると、代謝に支障をきたすため、成長期の子どもや、妊婦は特に気をつけて摂取する必要がある。

    不足すると、皮膚や粘膜が敏感になる。口内炎や口角炎、舌炎、口唇炎ができやすく、肛門や陰部がただれやすくなる原因となる。目が充血したり、肌荒れや髪の毛が傷んだり、脂漏性皮膚炎を起こしたときも、ビタミンB2不足が考えられる。

    過剰摂取による副作用はないという意見もあれば、1日30mgの投与により、吐き気、嘔吐があるとの報告もあり、意見が分かれている。

    ビタミンB2は、主に動物性の食品に多く含まれているが、植物性食品では納豆に多く含まれる。大豆そのものにはビタミンB2はあまり含まれていないが、納豆菌がビタミンB2を作り出している。

    ビタミン13種類(解説)

    ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK

    ビタミンB6(ビタミンB群)

    • 化学名
      • ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサール/水溶性ビタミン
    • 1日の所要量
      • 男性1.6mg、女性1.2mg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • タンパク質や脂肪の代謝を促進。つわりや妊娠中毒症などに効く。
    • ビタミンB6を多く含む食品/100gあたり
      • かつお:0.76mg
      • まぐろ:0.85mg
      • 白さけ:0.64mg
      • さんま:0.51mg
      • 牛レバー:0.89mg
      • ブロッコリー:0.27mg

    ビタミンB群は、互いにかかわりあって働く特徴がある。ビタミンB6が活性型に変わるときはB2を必要とし、アミノ酸の一つであるトリプトファンからナイアシンが合成されるときはB6が必要になる。言いかえれば、B2が欠乏すればB6も不足し、B6が不足すればB2も欠乏してしまうということになる。

    ビタミンB6はタンパク質の成分であるアミノ酸の合成や、タンパク質の合成を促す酵素の補酵素として働く。タンパク質を多量に摂取した場合、体タンパク質の合成に使われなかったアミノ酸は、分解してエネルギーとして使われる。その過程でビタミンB6が必要になる。したがって、タンパク質を多く取る人ほどビタミンB6の必要量が増えることになる。

    また、ビタミンB6が不足すると、神経の働きをスムーズにするアミノ酸代謝が円滑に行なわれず、うつ症状や不眠症になることもある。さらに、脂質の代謝が悪くなり、動脈硬化を招く危険性もある。

    ビタミンB6は食品から摂取するだけではなく、腸内細菌によっても合成されるため、欠乏症は起こりにくいといわれている。ただし、抗生物質を長期間服用していると、腸内の細菌が育たなくなり、皮膚炎や貧血など、いわゆる欠乏症が起きることがある。また、妊娠中やピル常用者もホルモンの関係で通常より多くのビタミンB6が必要とされる。あと、月経前 の体のだるさや頭痛など、月経前症候群を緩和する働きもあり、「女性のためのビタミン」ともいわれている。

    ビタミン13種類(解説)

    ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK

    ビタミンB12(ビタミンB群)

    • 化学名
      • コバラミン/水溶性ビタミン
    • 1日の所要量
      • 男女とも2.4µg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 末梢神経に作用し肩こりや腰痛を緩和。精神安定。
    • ビタミンB12を多く含む食品/100gあたり
      • 牛レバー:52.8µg
      • 鶏レバー:44.4µg
      • 牡蠣(カキ):28.1µg
      • さんま:17.7µg
      • あさり:52.4µg

    ビタミンB12は動物性の食品に含まれているため、完璧な菜食主義者はサプリメントやビタミン剤などで補給する必要がある。

    ビタミンB12は、葉酸とともに遺伝子を構成する核酸の合成にかかわっている。そのため脊髄で赤血球を作る働きを助ける作用があり、葉酸やB12は「造血のビタミン」と呼ばれる。ビタミンB12が不足して起こる貧血は「悪性貧血」とされ、それは赤血球の形成や再生がうまくいかないことによって起こる貧血で、鉄分不足の貧血と区別されている。

    ビタミンB12不足によって貧血が起こると、全身のだるさやめまい、動悸、息切れが起き、さらに神経が過敏になったりふさぎ込むといった、神経や精神にかかわる症状も起こってくる。

    また、ビタミンB12は中枢神経や脳への作用も認められており、不眠症や時差ぼけにも効果があるとされる。

    ビタミン13種類(解説)

    ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK

    ナイアシン(ビタミンB群)

    • 化学名
      • ニコチン酸、ニコチン酸アミド/水溶性ビタミン
    • 1日の所要量
      • 男性16mg、女性13mg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 糖質、脂質、アルコールなどの体内のあらゆる代謝を整える。
    • ナイアシン酸を多く含む食品/100gあたり
      • たらこ:49.5mg
      • かつお:19.0mg
      • むろあじ:15.2mg
      • まぐろ:14.2mg
      • 落花生(乾):17.0mg

    ナイアシンは植物性食品にも動物性食品にも多く含まれている。特に肝臓などを含む肉や、かつお、ぶり、さばなど日本の食卓におなじみの魚、そして豆類や果実類に豊富である。他にも牛乳や緑黄色野菜、コーヒーや紅茶にも含まれている。また、ナイアシンは、お湯に溶けやすい性質があるので煮物料理などは、煮汁に栄養素が70パーセントほど含まれて いると思えば良い。

    ナイアシンは、糖質、脂質、タンパク質などの代謝に欠かすことのできないビタミンである。また、アルコールや二日酔いのもととなるアセトアルデヒドの分解にも欠かせない栄養素である。アルコールを大量に飲む人はナイアシンの摂取を心掛けると良い。このほか、皮膚の機能を正常に保ったり、脳神経の働きを助ける。

    ナイアシンが欠乏すると、ペラグラという皮膚病を引き起こす。これがさらに悪化すると、胃腸障害や精神障害も出てくるとされている。ペラグラ皮膚炎の症状は、日光に当たる部分に発症し、日焼けしたように赤く、熱く、かゆくなり、水疱ができて、やがてかたくなってひび割れが起こる。

    胃腸症状は、まず食欲不振となり、吐き気や腹痛を起こし、やがて下痢と便秘が交互にきて、しだいに慢性の下痢となる。歯肉がただれたり舌が赤く腫れたりする発赤腫脹という症状もある。精神的な症状としては、イライラしたり、不眠や不安になり、頭痛やめまいが起きる。やがて痴呆や知覚障害、幻覚などの症状が現れるようになる。

    ビタミン13種類(解説)

    ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK

    パントテン酸(ビタミンB群)

    • 化学名
      • パントテン酸/水溶性ビタミン
    • 1日の所要量
      • 男女とも5mg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 糖質や脂質のエネルギー変換、ストレスに対処する副腎皮質ホルモン促進。
    • パントテン酸を多く含む食品/100gあたり
      • 鶏レバー:10.10mg
      • 豚レバー:7.19mg
      • 牛レバー:6.40mg
      • 子持ちがれい:2.41mg
      • 落花生(乾):2.56mg
      • にじます:2.36mg
      • ブロッコリー:1.12mg

    パントテン酸は様々な食品に含まれ、腸内細菌の働きで合成することもできるので、極端に栄養状態が悪くならない限り、ほとんど欠乏することはない。ただし、アルコールやカフェインはパントテン酸を消耗してしまうので、お酒やコーヒーをよく飲む人は多めに摂取したほうが良い。

    パントテン酸は、ストレスの多い現代人には欠かすことのできない栄養素である。疲れやすい、怒りっぽい、昼間から眠たい、カゼをひきやすいなどの症状はストレスと大いに関係があるとされている。これらの症状を自覚する人は多めに取りたいビタミンである。パントテン酸に過剰症はみられない。

    また、パントテン酸は、脂質、糖質、タンパク質などを、エネルギーに変えるために必要不可欠な補酵素CoAの主成分である。不足すると、アセチルCoAの不足からアセチルコリンやステロイド性のホルモンの生成が低下するとされている。

    ビタミン13種類(解説)

    ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK

    葉酸(ビタミンB群)

    • 化学名
      • プテロイルグルタミン酸/水溶性ビタミン
    • 1日の所要量
      • 男女とも200µg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 造血作用や細胞の新生、増殖を助ける。
    • 葉酸を多く含む食品/100gあたり
      • 鶏レバー:1300µg
      • 牛レバー:1000µg
      • 豚レバー:810µg
      • 菜の花:340 µg
      • 枝豆:260µg
      • ブロッコリー:210µg

    葉酸は野菜に多く含まれているが、葉酸だけでは働かないという特徴がある。ビタミンはそれぞれが協力し合って働いているが、葉酸は特にビタミンB12と密接な関係があるから、野菜や果物から葉酸を取ると同時に、動物性の食品に多く含まれるビタミンB12も取るなど、バランスが大切になってくる。

    赤血球はおよそ4ヵ月で生まれ変わるが、葉酸は細胞分裂に重要な役割を果たしており、新しい赤血球を作るために必要な栄養素である。不足すると正常な赤血球が作れず、鉄分の不足による貧血とは異なる、悪性貧血の原因となる。

    また、遺伝情報がつまった核酸の成分の一つにDNAがあるが、葉酸はその核酸の合成に働く酵素の補酵素として、細胞の分裂や成熟に大きな役割を果たす。同様に、葉酸はアミノ酸の合成にも欠かせない物質で、細胞の新生や増殖に活躍している。ほかにも、抗体の産生、神経細胞や脳の神経伝達物質の産生を助ける。

    葉酸が不足すると、核酸が合成されずDNAの形成や細胞分裂が阻害されてしまう。あと、口内炎、舌炎、胃、十二指腸潰瘍になる危険性もある。特に妊婦には、胎児の成長のためにも欠かせない栄養素であるため、妊娠中、授乳中も葉酸を意識的に摂取することが大切である。妊婦の場合は、所要量の2倍の400µgは必要だといわれている。

    ビタミン13種類(解説)

    ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK

    ビオチン(ビタミンB群)

    • 化学名
      • ビオチン(別名ビタミンH)/水溶性ビタミン
    • 1日の所要量
      • 男女とも30µg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 体内の様々な代謝を助ける。皮膚炎予防、筋肉痛緩和。
    • ビオチンを多く含む食品
      • 鶏レバー、牛レバー、豚レバー、いわし、落花生

    ビオチンは多くの食物に含まれているので、普通に食事をしていれば不足することはない。ただし、生の卵白に含まれるタンパク質は、ビオチンの吸収を阻害する。生卵を毎日10個食べ続けると、皮膚炎、舌炎、倦怠感、幻覚、筋肉痛、疲労感が起こるといわれるが、普通に食べている限りは問題はない。

    皮膚炎を予防することから発見されたビタミンで、糖質のエネルギー代謝、脂肪酸やアミノ酸代謝、核酸生成などを助け、生命活動に不可欠な補酵素。ビオチンが不足すると、脱毛しやすく、早く白髪になる傾向がみられたり、湿疹や、脂漏性皮膚炎も現れる。さらに疲労感や憂鬱、脱力感に陥ったりすることもある。過剰症の報告はない。

    ビタミン13種類(解説)

    ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK

    ビタミンC

    • 化学名
      • アスコルビン酸/水溶性ビタミン
    • 1日の所要量
      • 男女とも100mg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 抗酸化作用で生活習慣病を予防。免疫力を高める。発がん物質を抑える。ストレスに対抗する力を作る。コラーゲンの生成を促進する。
    • ビタミンCを多く含む食品/100gあたり
      • アセロラ:1700mg
      • グアバ:220mg
      • 赤ピーマン:170mg
      • 菜の花:130mg
      • パセリ:120mg
      • いちご:62mg
      • ネーブルオレンジ:60mg
      • 大根:53mg
      • トマト:15mg

    ビタミンCは、温度や湿度、光や紫外線の影響を受けやすく、とても壊れやすい性質がある。水にも溶けやすい栄養素であり、調理法や保存法に気をつけなければいけない。また、酸化しやすく時間の経過とともに、減少率が高まっていく。例えばおろし大根のビタミンCは、2時間後には半減してしまう。果物も皮をむいたらすぐに食べたほうがよい。

    ビタミンCを摂取したほうがよい人

    • 煙草をよく吸う
    • 睡眠時間が短い
    • アルコールの摂取が多い
    • ダイエットをしていたり極端な偏食がある
    • インスタント食品や外食が多い
    • 激しい運動や肉体労働をしている
    • ストレスを感じている

    ビタミンCは、肌や骨、血管、ストレス、風邪などあらゆる悩みを解決するパワフルなビタミンである。細胞と細胞をつなぐコラーゲンの生成を促進するので、強い歯ぐきや血管、骨や筋肉などの各器官をつくる。そのことから美肌効果が現れるため、女性には特に人気があるビタミンである。

    コラーゲンの生成が不完全になると、細胞の結合が弱まり骨や血管がもろくなって、歯ぐきや内臓から出血が起こり、やがて死に至るという壊血病を招く。またコラーゲンは、傷の修復にも貢献し、ゲガをした際にも有効である。

    免疫力を発揮する主役である「白血球」も、ビタミンCによりその働きを強化することができる。風邪がはやっている時期にビタミンCを多く摂取すると、風邪をひきにくく、もしひいてしまっても、早く回復することができる。

    ビタミンCは発がん物質を抑制し、抗がん物質の生成を促進する働きがある。例えば、抗がん作用があるとして知られるインターフェロンは、体内でつくられるものだが、ビタミンCがこの物質の生成を促進するといわれている。

    また、抗ストレスビタミンとしても、活躍している。ストレスが生じると抗ストレスホルモンのアドレナリン作りにCが大量に使われるため、普段ストレスの多い生活をしている人は、ビタミンCをしっかり補給したい。

    ほかにも、しみやそばかすのもとになるメラニン色素の生成を抑えたり、鉄や銅の吸収を促進して赤血球の合成を促す、コレステロール値を下げるなど、ビタミンCの役割は多様である。

    このようにビタミンCは、がんやストレス、風邪だけではなく、美容にも効果があり、しかも大量に取っても体に蓄積されないということで、食生活や生活習慣が大きく変化した現代では、ビタミン剤などによる積極的な摂取を推奨されている。

    ビタミン13種類(解説)

    ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK

    ビタミンD

    • 化学名
      • エルゴカルシフェロール(D2)、コレカルシフェロール(D3)/脂溶性ビタミン
    • 1日の所要量
      • 男女とも2.5µg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • カルシウムの吸収を促し骨や歯を丈夫にする。
    • ビタミンDを多く含む食品/100gあたり
      • くろかじき:38µg
      • 白さけ:32µg
      • 身欠きにしん:50µg
      • あんこう(肝):110 µg
      • かわはぎ:43µg

    ビタミンDにはD2からD7まで6種類あるが、D4からD7まではビタミンの効力が低いため、通常ビタミンDというとD2とD3をさす。D3は紫外線が皮膚に当たることによって合成されるので、日ごろ日光に十分当たっている人は、食事からの摂取を気にする必要はないとされる。だが、あまり真っ黒に日焼けすると、逆にビタミンDの合成能力が落ちて しまう。また、オゾン層の破壊によって紫外線が皮膚がんの原因になったり、肌の老化を進めるなど、なにかと問題も出ているので、安心して日光浴をすることもままならない時代ではある。

    カルシウムがきちんと摂取され、ビタミンDが正常に働いていると、歯や骨を健康に保つことができる。現代人が弱いとされる骨密度も、十分な量のカルシウムとビタミンDを摂取することで、高めることができる。

    ビタミンDが不足すると、乳幼児はくる病、大人では骨粗鬆症になる。くる病は足の骨や肋骨などあらゆる骨が変形し、曲がってしまう病気である。一方の骨粗鬆症は、骨がやわらかくなって変形し、やがて脊椎が湾曲する病気で、大人のくる病ともいわれている。骨粗鬆症は、骨の中がスカスカになり、ちょっとしたことでも骨折しやすくなる病気で、閉経後の女性や高齢者に多くみられる。

    ビタミンDとカルシウムの摂取不足は、血管にカルシウムが沈着しやすくなり、動脈硬化を早める心配があるといわれているが、過剰に取りすぎた場合も、血管壁や臓器にカルシウムが沈着しやすくなる。特に腎臓にカルシウムが沈着すると、尿毒症を引き起こし、命にかかわることもあるので注意が必要である。

    ほかにも過剰摂取で食欲不振や嘔吐、便秘などの症状が現れることがある。ただしこれらの症状は、1日の所要量の10倍以上を摂取した場合であるので、一般的な食生活であれば問題はない。

    ビタミン13種類(解説)

    ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK

    ビタミンE

    • 化学名
      • トコフェロール/脂溶性ビタミン
    • 1日の所要量
      • 男性10mg、女性8mg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 抗酸化作用で生活習慣病や老化を防ぐ。更年期障害を緩和する。
    • ビタミンEを多く含む食品/100gあたり
      • アーモンド:29.6mg
      • ヘーゼルナッツ:19.0mg
      • サラダ油:19.0mg
      • マヨネーズ:17.7mg
      • たらこ:7.1mg
      • 西洋かぼちゃ:5.1mg
      • うなぎの蒲焼き:4.9mg
      • にじます:1.2mg

    ビタミンEはアーモンドや落花生などのナッツ類や、ひまわりの種などの種実からとった植物油に多く含まれる。植物油で気をつけなければいけないのは、酸化しやすいので長期保存は避けること。特に加熱したものの酸化は早いので、揚げ物に使った油は炒め物などに使い、できるだけ早く使いきる。古い油は過酸化脂質があるため、かえって老化を早める原因となってしまう。あと、かぼちゃやほうれん草などの野菜類にもビタミンEは含まれているが、ビタミンEは脂溶性のため、野菜は油で炒めて食べると吸収力がアップする。

    ビタミンEは強力な抗酸化作用をもち、老化の原因となる過酸化脂質を防ぐ。食べ物が酸化するのと同じように、体内でも生体膜や細胞の不飽和脂肪酸によって酸化が起き、過酸化脂質を作る。これが増えると体の機能が低下し、病気や老人性のシミや白髪などの老化現象を招く。

    たとえば、動脈硬化は血中コレステロールが酸化したものが血管壁につき、血液の流れが悪くなることが原因となる。さらに悪化すると脳梗塞や心筋梗塞にもなりかねない。これらの病気もビタミンEの抗酸化作用で予防できるとされている。

    また、ビタミンEは生殖ホルモンと深い関係にあり、不妊治療の際、排卵誘発剤と併用すると妊娠する可能性が高まるという報告もされている。これは、Eが副腎や卵巣にたくわえた女性ホルモンや、男性ホルモンなどのステロイドホルモンの代謝に関与するためである。

    女性特有の悩みである、月経前のイライラや生理痛、生理不順を改善し、年配の女性に起こる更年期障害も、ビタミンEの補給により緩和されるといわれている。女性だけでなく、男性もビタミンEによって精子の数を増やし、精子の運動力をアップさせるなど、精力を高める効果があるといわ れている。

    ビタミンEの過剰症にならないための許容上限摂取量は、1日の所要量が600mgまでと定められているが、実際には所要量(男性10mg、女性8mg)の100倍の摂取までは安全ともいわれている。食品で取るなら問題はないが、ビタミン剤の場合は注意が必要である。

    ビタミン13種類(解説)

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    ビタミンK

    • 化学名
      • フィロキノン(K1)、メナキノン(K2)/脂溶性ビタミン
    • 1日の所要量
      • 男性65µg、女性55µg(30~49歳の場合)
    • 効能
      • 骨へのカルシウム沈着や、血液の凝固作用を保つ役割もある。
    • ビタミンKを多く含む食品/100gあたり
      • 納豆:870µg
      • あしたば:500µg
      • つるむらさき:350µg
      • かぶ(葉):340µg
      • おかひじき:310µg

    ビタミンK1は、緑黄色野菜に多く含まれているが、太陽の光がたくさん当たった外側の部分に、特に多く含まれている。キャベツやレタスなどを食べるときは、できるだけ外葉を食べるとよい。野菜以外では海藻や緑茶に豊富である。ビタミンK2は、牛乳、乳製品、肉、卵、果物など に含まれているが、納豆などの発酵食品には特に多く含まれている。

    ビタミンKは、必要に応じて血液の凝固や、凝固を抑制する働きを補酵素として助けている。ビタミンKをきちんと摂取することで、月経過多や潰瘍による出血、血尿や血便など、出血を伴う病気の緩和に役立つ。

    ビタミンKのもう一つの役割は、カルシウムの代謝に関与することである。ビタミンDは必要に応じて骨から血液中にカルシウムを送り出したり、尿中に排出されないように再吸収する役割を果たすが、ビタミンKは骨からカルシウムが排出されるのを抑制している。もしビタミンKが不足すると、骨に十分なカルシウムが取り込まれず、骨がもろくなってしまう。

    ビタミンKの所要量はわずかで、大半は腸内細菌によって合成されるので、欠乏症を心配する必要はないとされるが、新生児や乳児はまだ腸内細菌の働きが発達していないので、補う必要がある。特に母乳で育てている母親がビタミンK不足だと、赤ちゃんに欠乏症が出る可能性がある。これは新生児出血症といわれ、便が黒っぽくなる消化管出血が起こったり、まれに頭蓋内出血があるので気をつける必要がある。

    大人になってからビタミンKが不足すると、けがや内出血などの出血時に血液が止まりにくくなったり、鼻血が出やすくなったりする。またカルシウムの代謝がうまくいかず、骨がもろくなる。 大人の場合、腸内細菌からの供給があり、不足はないといっても、長年抗生物質を飲んでいる人は、腸内細菌からの供給は期待できない。

    過剰症の心配はないとされているが、通常の50倍以上摂取したときは、貧血や血圧低下、嘔吐、呼吸困難などの症状が出ることがある。ただし、食事から摂取しているぶんには問題はないといえる。

    ビタミン13種類(解説)

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    サプリメントの知識

    サプリメントとは?

    飽食の時代といわれる現代、街にはたくさんの食品があふれているが、一方、糖尿病や高血圧、肥満などいわゆる生活習慣病の発症率が高くなってきていることから、現代人の食生活が見直されている。とはいえ、忙しい現代人は、規則正しくバランスの良い食事をするのが困難ということもある。どうしても栄養がかたよりがちだ。

    そこで注目を集めているのがサプリメントというわけである。サプリメントとは栄養を補助する食品のこと。一般に栄養補助食品と呼ばれ、薬ではなくあくまで食品である。サプリメントは補助的な食品である以上、もちろんそれだけに頼ることはできない。だが実際のところ、食事で取れなかった栄養素を簡単に補充できるので、忙しい現代人には強い味方となっている。

    例えば、サプリメントの代表的な成分のひとつに、ビタミンやミネラルがあるが、これらは体を作る栄養素をつなぎあわせ、その働きを助ける作用がある。ビタミンやミネラルが不足すると栄養素がうまく作用できなくなる。必要量は少ないが不足すると欠乏症が起きることから、微量栄養素といわれる。他のサプリメントの成分として、食物繊維やオリゴ糖などがあるが、これらは生活習慣病の予防に効果があるとされる。


    サプリメントがなぜ必要か?

    サプリメントが必要な理由のひとつに、食物の栄養素が年々減少してきているという事実がある。例えば、ほうれん草は、25年前と比べるとビタミンAが11分の1まで減少している。かぼちゃのビタミンAも8分の1に減少してしまっている。こういった状況では、いくらしっかり食事をしていても、かなりの量を食べないと栄養素が取り入れられないということだ。食物で、現代人に必要とされる栄養素全てをまかなうことは難しい時代なのである。

    また、カニなどの甲殻類に含まれるキトサンや、ブドウの種子に含まれるポリフェノールなどは、加工して食べやすくしたサプリメントの力を借りなければなかなか摂取できない成分もある。

    現代人は忙しい。食生活も不規則になりがちである。そのうえストレスも多い。食品添加物や農薬、環境汚染の問題もある。サプリメントはそんな現代人にとって、手軽に栄養素が補充できることから、もはや欠かせない存在となっている。

    あと、サプリメントがいかに便利とはいっても、あくまで栄養補助食品である。大前提の食事があってこそ、その役割を果たすことができる。まずは生活習慣を見直し、それからサプリメントの使用を考えることが大切である。


    サプリメントで得られるもの

    サプリメントは薬ではないので、直接病気を治すというものではない。しかし、積極的にサプリメントを摂取すると、様々なメリットがある。

    健康維持

    サプリメントの成分によって効果は様々だが、例えば、骨を強化するカルシウムを取れば、骨粗しょう症の予防になる。免疫力をつける効果のあるビタミンCを取るとカゼをひきにくくなる。というように、サプリメントには病気を予防する効果が期待できる。

    ダイエット

    これもサプリメントの効果のひとつだ。ダイエット効果をもつ様々な成分がある。例えば、キトサンは脂肪分を脂肪細胞になりにくくする。クロムやマンガンは、取りすぎた糖分をを分解し、消費しやすくさせるなど、その他にも基礎代謝を向上させ脂肪を燃焼しやすくさせるものや、食欲を抑制するなどの効果をもつサプリメントがある。

    精神面での効能

    体の中だけでなく、精神的な効能をもつものもある。イライラを抑えたり、睡眠障害を改善するもの、また、軽いうつ状態にも効果があるとされているものなど、種類は豊富だ。

    脳の機能を助ける

    脳内にある神経伝達物質を増やしたり、脳内の血液循環を良くして頭の回転を良くしたりするものなど。サプリメントの効果は病気の予防だけではなく、様々な面で高く評価されているのである。


    サプリメントの飲み方

    サプリメントは薬ではないので、特に取る時間や摂取量に決まりがあるわけではないが、最低限のルールとして、まず医師の診察を受けていて、処方された薬を飲んでいる人は、サプリメントを利用する前に必ず担当医に相談する。また、サプリメントの中でも錠剤やカプセル、粉 タイプなどはたっぷりの水で飲むこと。特に錠剤は水なしで飲むと、のどの粘膜を傷つけることがあるので注意したい。お茶やジュースなどでは飲まないほうが良い。

    飲むタイミングは、サプリメントに取る時間が記載されていなければ、基本的にいつ取っても良い。一般的な食品と同じである。

    次に飲む量だが、食品としての位置づけのサプリメントは、たくさん取ったからといって効果が上がるわけではないし、病気に対し即効性があるわけでもないので、必ず目安量を守って飲むこと。

    サプリメントの中には摂取量に制限があるものがある。これは、過剰に取った場合の副作用が報告されている例があるからだ。例えば、ビタミンAの過剰摂取は、頭痛、食欲不振、吐き気などが起こる場合もある。ビタミンDの過剰摂取の場合は、血液中のカルシウム濃度を上げ、内臓や血管壁へのカルシウム沈着を招く。そうなるとやがては尿毒症を引き起こすことにもなりかねないので注意が必要である。

    他にも、覚醒効果のあるものを取りすぎると、ハイ状態になってしまう場合や、逆にリラックスさせるサプリメントを大量に取ると、眠くなってしまうなど、車を運転する際には気をつけたいものもある。

    以上、サプリメントの飲み方や摂取量について、最低限のルールはあるが、どれも表記された用法、容量を守っていれば問題はない。サプリメントは何度もいうように薬ではなく、栄養補助食品である。たくさん飲んだからといって効果が上がるわけではない。ベースとなるのはやはり日々の食事である。足りないものを補う、継続的に改善し向上していくという観点からの利用を心掛けたい。

    サプリメントどうしの相性

    一緒に取ると相性のよいサプリメント

    ビタミンB群

    ビタミンは水溶性と脂溶性に分けられる。ビタミンB群はどれも水溶性であり、その働きが似ていることから一緒に取ることが効果的である。B群が相互作用することによって、エネルギーの供給や体内の老廃物の代謝などが正常に働く。

    ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン

    ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチンとこれらのことを抗酸化ビタミンという。活性酸素により発生した過酸化脂質は体のサビといわれ、悪影響を及ぼすが、抗酸化ビタミンは活性酸素と過酸化脂質の発生を抑える役割がある。

    ビタミンD、カルシウム

    体内に入ったビタミンDは、肝臓と腎臓で活性化ビタミンDとなり、カルシウムの吸収を助ける。また血液中のカルシウムを骨まで運搬し、骨からカルシウムを取り出し筋肉に届ける役割をもつ。

    マグネシウム、カルシウム

    お互いに筋肉や神経に影響を与えている。適正な比率は、マグネシウム1に対して、カルシウムが2~3。マグネシウムが不足するとカルシウムが過剰になり、筋肉の収縮に障害が生じる。


    相性の良くないサプリメント

    ビタミンCとクロミニウム

    クロムニウムとは、ミネラルの一種であるクロムのこと。ビタミンCとクロムを一緒に取ると、本来のビタミンCの働きにより、クロムが外へ排出されてしまう。サプリメントを取るときはあくまで別々で。

    食物繊維とミネラル

    便通を整える働きをもつ食物繊維は、第6の栄養素と呼ばれその効果が期待されているが、ミネラルと一緒に取ると、食物繊維がミネラルを包み込んで排出してしまう。よってミネラルの効果が消されてしまうので注意。

    薬になる食べ物

    【アズキ(赤小豆)】
    <使用方法>脚気には、味をつけずに煮て食用とする。

    【ウメ(梅)】
    <使用方法>かぜには、黒焼きを飲む。胃腸炎には、梅肉エキスが良い。

    【キャベツ(玉菜)】
    <使用方法>胃潰瘍には、青汁を飲む。

    【キュウリ(胡瓜)】
    <使用方法>あせも、やけどには、果実や葉の汁を塗る。二日酔いにしぼり汁を飲む。

    【クリ(栗葉)】
    <使用方法>あせも、切傷、虫さされなどにしぶ皮、樹皮の煎汁を塗る。

    【クルミ(胡桃仁)】
    <使用方法>動脈硬化予防に日常の食品にまぜて利用する。

    【クワイ(地栗)】
    <使用方法>やけどには、生のまますりおろして塗る。

    【クロマメ(黒豆)】
    <使用方法>せき止めには、ゆでた黒豆に黒砂糖を少し加えお茶がわりに飲む。

    【ゴボウ(牛蒡)】
    <使用方法>あせも、湿疹には浴剤として使用する。虫さされや切傷に生の葉汁をつける。

    【ゴマ(胡麻)】
    <使用方法>食用に常用すると動脈硬化予防、強壮剤になる。ゴマ油はやけど、肌荒れに良い。

    【コンフリー】
    <使用方法>ビタミンB郡、カルシウム、ミネラルを多く含む栄養素の多い緑黄色野菜。

    【コンブ(昆布)】
    <使用方法>根昆布をコップ一杯の水に一晩つけ毎朝飲むと高血圧、動脈硬化予防になる。

    【シイタケ(椎茸)】
    <使用方法>干シイタケはビタミンDを多く含む栄養価の高い食品。

    【シジミ(蜆)】
    <使用方法>シジミ貝の汁は肝臓(黄疸)に良い。

    【スイカ(西瓜)】
    <使用方法>食用すれば、利尿作用がある。

    【ダイコン(大根)】
    <使用方法>ダイコンおろしは消化を助ける。葉は浴剤として冷性、婦人病などに良い。

    【ナス(茄子)】
    <使用方法>扁桃炎、歯ぐきのはれには乾燥したへたを黒焼きにしてつける。へた汁はにきび、イボ取りに良い。

    【ニラ(韮)】
    <使用方法>食用として、味噌汁などに入れると食欲不振などに良い。

    【ニンジン(人参)】
    <使用方法>貧血、低血圧には、生をすりおろして食べる。

    【ニンニク(大蒜)】
    <使用方法>かぜ、のどの痛みには、焼いて食べる。

    【ネギ(葱)】
    <使用方法>かぜには、白い部分を細かく刻み、みそかしょう油を加え熱湯を注いで飲む。

    【ハチミツ(蜂蜜)】
    <使用方法>栄養価の高い食品。

    【フキ(蕗)】
    <使用方法>胃腸病には、フキノトウをみそ煮にして食べる。

    【ミカン(陣皮)】
    <使用方法>生の皮は浴剤として利用すると、血行を良くし、湯ざめを防ぐ。

    【モモ(桃)】
    <使用方法>あせも、湿疹、かぶれには生の葉を浴剤とする。

    【ユズ(柚子)】
    <使用方法>冷性、腰痛などに浴剤とする。


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