ビタミンD
- 化学名
- エルゴカルシフェロール(D2)、コレカルシフェロール(D3)/脂溶性ビタミン
- 1日の所要量
- 男女とも2.5µg(30~49歳の場合)
- 効能
- カルシウムの吸収を促し骨や歯を丈夫にする。
- ビタミンDを多く含む食品/100gあたり
- くろかじき:38µg
- 白さけ:32µg
- 身欠きにしん:50µg
- あんこう(肝):110 µg
- かわはぎ:43µg
ビタミンDにはD2からD7まで6種類あるが、D4からD7まではビタミンの効力が低いため、通常ビタミンDというとD2とD3をさす。D3は紫外線が皮膚に当たることによって合成されるので、日ごろ日光に十分当たっている人は、食事からの摂取を気にする必要はないとされる。だが、あまり真っ黒に日焼けすると、逆にビタミンDの合成能力が落ちて しまう。また、オゾン層の破壊によって紫外線が皮膚がんの原因になったり、肌の老化を進めるなど、なにかと問題も出ているので、安心して日光浴をすることもままならない時代ではある。
カルシウムがきちんと摂取され、ビタミンDが正常に働いていると、歯や骨を健康に保つことができる。現代人が弱いとされる骨密度も、十分な量のカルシウムとビタミンDを摂取することで、高めることができる。
ビタミンDが不足すると、乳幼児はくる病、大人では骨粗鬆症になる。くる病は足の骨や肋骨などあらゆる骨が変形し、曲がってしまう病気である。一方の骨粗鬆症は、骨がやわらかくなって変形し、やがて脊椎が湾曲する病気で、大人のくる病ともいわれている。骨粗鬆症は、骨の中がスカスカになり、ちょっとしたことでも骨折しやすくなる病気で、閉経後の女性や高齢者に多くみられる。
ビタミンDとカルシウムの摂取不足は、血管にカルシウムが沈着しやすくなり、動脈硬化を早める心配があるといわれているが、過剰に取りすぎた場合も、血管壁や臓器にカルシウムが沈着しやすくなる。特に腎臓にカルシウムが沈着すると、尿毒症を引き起こし、命にかかわることもあるので注意が必要である。
ほかにも過剰摂取で食欲不振や嘔吐、便秘などの症状が現れることがある。ただしこれらの症状は、1日の所要量の10倍以上を摂取した場合であるので、一般的な食生活であれば問題はない。
ビタミン13種類(解説)
ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK