ビタミンK
- 化学名
- フィロキノン(K1)、メナキノン(K2)/脂溶性ビタミン
- 1日の所要量
- 男性65µg、女性55µg(30~49歳の場合)
- 効能
- 骨へのカルシウム沈着や、血液の凝固作用を保つ役割もある。
- ビタミンKを多く含む食品/100gあたり
- 納豆:870µg
- あしたば:500µg
- つるむらさき:350µg
- かぶ(葉):340µg
- おかひじき:310µg
ビタミンK1は、緑黄色野菜に多く含まれているが、太陽の光がたくさん当たった外側の部分に、特に多く含まれている。キャベツやレタスなどを食べるときは、できるだけ外葉を食べるとよい。野菜以外では海藻や緑茶に豊富である。ビタミンK2は、牛乳、乳製品、肉、卵、果物など に含まれているが、納豆などの発酵食品には特に多く含まれている。
ビタミンKは、必要に応じて血液の凝固や、凝固を抑制する働きを補酵素として助けている。ビタミンKをきちんと摂取することで、月経過多や潰瘍による出血、血尿や血便など、出血を伴う病気の緩和に役立つ。
ビタミンKのもう一つの役割は、カルシウムの代謝に関与することである。ビタミンDは必要に応じて骨から血液中にカルシウムを送り出したり、尿中に排出されないように再吸収する役割を果たすが、ビタミンKは骨からカルシウムが排出されるのを抑制している。もしビタミンKが不足すると、骨に十分なカルシウムが取り込まれず、骨がもろくなってしまう。
ビタミンKの所要量はわずかで、大半は腸内細菌によって合成されるので、欠乏症を心配する必要はないとされるが、新生児や乳児はまだ腸内細菌の働きが発達していないので、補う必要がある。特に母乳で育てている母親がビタミンK不足だと、赤ちゃんに欠乏症が出る可能性がある。これは新生児出血症といわれ、便が黒っぽくなる消化管出血が起こったり、まれに頭蓋内出血があるので気をつける必要がある。
大人になってからビタミンKが不足すると、けがや内出血などの出血時に血液が止まりにくくなったり、鼻血が出やすくなったりする。またカルシウムの代謝がうまくいかず、骨がもろくなる。 大人の場合、腸内細菌からの供給があり、不足はないといっても、長年抗生物質を飲んでいる人は、腸内細菌からの供給は期待できない。
過剰症の心配はないとされているが、通常の50倍以上摂取したときは、貧血や血圧低下、嘔吐、呼吸困難などの症状が出ることがある。ただし、食事から摂取しているぶんには問題はないといえる。
ビタミン13種類(解説)
ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK