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元レンジャー隊員のブログ

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異常気象その1

偏西風のもたらすもの

地球の大気は、ふつう中緯度の上空を西から東に流れている。この状態 では天気はほぼ周期的に変わり、異常気象は起こりにくい。しかし北極 地方の寒気が蓄積されて南北の温度差が大きくなってくると、低気圧が 発生する。すると、東西に流れる偏西風は南北に蛇行し、北からの寒気 と南からの暖気が大きく入り乱れる。

偏西風の蛇行がさらに大きくなると、低い緯度に低気圧性の冷たい渦が 偏西風から切り離されて南下し、これが大雨、大雪、雷をもたらす。一方、 高い緯度には高気圧性の暖かい渦が偏西風から切り離されて北上し、猛暑 と干ばつをもたらす。

これを「ブロッキング現象」と呼び、長く続くので、異常気象が起こる。 やがて冷たい渦も暖かい渦も弱まってくると、偏西風はもとの東西の流れ に戻り、ブロッキング現象も消えていく。

エルニーニョ現象

地球全体の天気は海が持っている熱や水分によって大きく左右され ている。

数年に一度、太平洋東部赤道付近(南米ペルー沖)の海水温が平年より 3~4度も異常に上昇することがある。これがエルニーニョ(神の子) 現象で、世界的に異常気象をもたらす。

エルニーニョ現象が起こると、太平洋の東部赤道海域で上昇気流が活発 になり、北太平洋高気圧が発達する。すると高気圧の縁にあたる日本付近 では冷夏や暖冬になり、世界的にも干ばつや大洪水という異常気象が起 こる。

エルニーニョ現象には貿易風が関係している。赤道付近の貿易風が弱いと、 暖かい海水が自然に東太平洋にながれてくるからである。反対に赤道付近 の貿易風が強いときには、暖かい海水は東南アジア方面に集まり、ペルー 沖には深海から冷水が上昇してくるため、海水温が異常に下がる。この エルニーニョ現象とは反対の現象は「ラニーニャ」と呼ばれている。

ラニーニャ現象が起こると、日本では夏はより暑く冬はより寒くなる傾向 にある。

ニーニョ + エル = エルニーニョ
Niño + El =  El Niño
(男の子) + (定冠詞) = (神の子、イエスキリストの意味)

ラ ニーニャ
La Nina
(女の子という意味)




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