和漢薬の効果用法
漢方とは?
約2000年前に中国で芽生え、長い歴史の変換の中で経験と研究の積み重ねによって、より良く伝承された医療法を我が国では漢方と呼ぶ。
漢方治療の基本的概念は、(陰—陽)・(虚—実)などの独特の考え方を基に病気を総合的にとらえ、個人の体質、病状、経過などに合わせて、薬草や鍼・灸などで予防や治療をしていくことである。
漢方薬と民間薬(和漢薬)
漢方薬とは、数種類の草根木皮を約束された組み合わせによって効果を出すように煎じたり、粉末(散薬)、丸薬、膏薬などにして用いる。
- (例)葛根湯・・・・・葛根・麻黄・掛枝・芍薬・甘草・大棗・生姜 以上7種類の生薬を約束された分量で煎じて飲むとカゼの初期、肩こり などに効果がある。
民間薬(和漢薬)とは、身近にある植物などを、効くという事実と経験 の伝承によって、民衆の生活から発生した自己治療の一つである。
- (例)ゲンノショウコを煎じて飲むと下痢止めになる。
煎剤・浸剤・薬酒・浴剤
煎剤・・・・・生薬の成分を水で煎じて煮出したもの。
浸剤・・・・・生薬に熱湯を注いで有効成分を浸出したもの。
薬酒・・・・・生薬をアルコール漬けにして有効成分を抽出したもの。
浴剤・・・・・生薬を熱湯に入れ外用として用いるもの。
煎じ方と服用方法
土瓶またはガラス製、ステンレス製のやかんに薬草1日量と水400~600mlを加え、とろ火で30分~1時間かけて約半分の量になるまで煎じつめ、熱いうちに茶こし、布、ガーゼなどでかすをこし取り、煎汁を1日3~5回に分けて温服する。尚、煎汁の保存容器は鉄製、銅製を避け、夏期には変質しないよう冷所に保存する。
浸剤の作り方と服用方法
薬草を急須などに入れ、熱湯を注いでお茶のように服用する。
- (例)アマチャズル、柿茶、センブリ
薬酒の作り方と服用方法
原料となる生薬、果実を原酒(ホワイトリカー)に漬け甘味料などを 加えて広口瓶に密閉して、一定期間おいてから飲むのが一般的な方法である。
原酒は生薬、果実の風味をなくさないためにも、無色、無味、無臭の ホワイトリカー(35度)が適している。
甘味料は氷砂糖、グラニュー糖、蜂蜜、甘草などを用い、原酒1リットルに対して200gが適量だが、最初は少なめに入れ、熟成後に甘味を調整するのが良い方法である。甘草を使用する時は原酒1リットルに対して10~20gが適量である。
熟成期間は原料となる生薬、果実によって多少異なるが、1ヵ月~3ヵ月間漬ける。
熟成後、原料をこして取り、1回に20~30mlをそのままか適当にうすめて1日1~2回飲む。保存は密閉して涼しく日の当たらない場所にする。