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役立つ健康食品の知識  >>  ビタミン13種類

ビタミン13種類

ビタミンとは?

ビタミンは、栄養素としての必要量は微量であるが、生命活動を行うのに不可欠な、体内の化学反応を円滑にする酵素をサポートしている。

ビタミンは、A、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの13種類があり、水に溶ける水溶性と、油に溶ける脂溶性に分けられる。水溶性は必要量以上に摂取しても尿として排泄されるので問題ないとされるが、脂溶性ビタミンは過剰摂取すると体内に蓄積され、頭痛や吐き気などの副作用が出ることがあるので注意したい。

水溶性ビタミン

ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸 葉酸、ビオチン、ビタミンC

脂溶性ビタミン

ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK

ビタミン13種類(解説)

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ビタミンA

  • 化学名
    • レチノール/脂溶性ビタミン
  • 1日の所要量
    • 男性600µg、女性540µg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • 夜盲症、角膜の乾燥、肌荒れ、粘膜を強化することによるカゼの予防。
  • ビタミンAを多く含む食品/100gあたり
    • うなぎの蒲焼き:1500µg
    • マーガリン:1800µg
    • ほうれん草(生):700µg

動物性食品に含まれるビタミンAは吸収率が良いが、緑黄色野菜などの植物性食品に含まれるベータカロチンの効率の良い摂取方法は、油を使った調理が良い。

ビタミンAの摂取には、体内でビタミンAに変化するベータカロチンを摂取すると良い。ビタミンAは大量に取ると過剰症になる場合があるが、ベータカロチンなら体内にビタミンAが十分にあれば変化せず、徐々にビタミンAに変わる。また、このベータカロチンは活性酸素と戦う抗酸化ビタミンとも呼ばれている。

カロチンには、αアルファ、βベータ、γガンマの3種類がある。食品中に含まれるのはベータカロチンが大部分なので、食品成分表にはベータカロチンが取り上げられている。疫学調査では、ベータカロチンの摂取が多いと、肺がん、胃がん、子宮頸部がんの発生率が少ないと報告されている。

  • ベータカロチンを多く含む食品/100gあたり
    • モロヘイヤ:10000µg
    • 西洋カボチャ:4000µg
    • にんじん:8200µg
    • しゅんぎく:4500µg
    • あしたば:5300µg

ビタミン13種類(解説)

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ビタミンB1(ビタミンB群)

  • 化学名
    • チアミン/水溶性ビタミン
  • 1日の所要量
    • 男性1.1mg、女性0.8mg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • 疲労回復、脳の活性化、欠乏症に脚気やウェルニッケ脳症がある。
  • ビタミンB1を多く含む食品/100gあたり
    • 豚肉(ヒレ):0.94mg
    • 豚肉(もも、脂身なし):0.96mg
    • 落花生(乾):0.85mg
    • 焼き豚:0.85mg
    • うなぎの蒲焼き:0.75mg
    • たらこ:0.71mg

ビタミンB1は水に弱いという性質がある。汁を逃がさない炒め物、汁も飲めるスープなどの調理法だと効率よく摂取できる。

ビタミンB1は米ぬかに多く含まれているが、日本人はそれを取り除いた白米を主食にしているため、ビタミンB1が不足がちになりやすい。糖質(米)の多い食事をすると、それをエネルギーに変えるビタミンB1の必要量も多くなる。効率よく取るには玄米や胚芽精米にするのも一つの方法である。

ビタミンB1が不足すると、いくら糖質を摂取してもエネルギーに変えることができず、乳酸やピルビル酸などの疲労物質がたまり、疲れやすくなる。

脳や神経機能を正常に保つためにも、やはり十分なエネルギー補給が必要。脳にエネルギーが行き渡らなくなると、神経が正常に機能せず、手足がしびれたり、運動能力の低下、眠気や精神の不安定を招く。

欠乏症の代表的なものに脚気とウェルニッケ脳症がある。

脚気は手足がしびれたり、疲労感、動悸、息切れ、食欲不振、むくみなどの症状があるが、脚気と気づかずにそのままにしていることもよくあるという。

ウェルニッケ脳症は眼筋マヒや歩行運動失調、ケイレン発作、やがて昏睡に至る病気で、アルコールを飲みすぎる人がかかりやすいといわれており、アルコール依存症との関係も注目されている。ビタミンB1による治療で、ある程度症状は回復するが、コルサコフ病(記憶の錯誤、見当識の悪さ、作り話などを伴う精神疾患)に移行してしまうと回復は難しいとされている。

ビタミン13種類(解説)

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ビタミンB2(ビタミンB群)

  • 化学名
    • リボフラミン/水溶性ビタミン
  • 1日の所要量
    • 男性1.2mg、女性1.0mg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • 糖質、脂質、タンパク質の代謝を促す。肌荒れやニキビ予防。
  • ビタミンB2を多く含む食品/100gあたり
    • やつめうなぎ:0.85mg
    • 豚レバー:3.60mg
    • 牛レバー:3.00mg
    • 鶏レバー:1.80mg
    • うなぎの蒲焼き:0.74mg

ビタミンB2は、熱に強いが光に弱いという特徴がある。そのため加熱調理では栄養素はあまり減少しないが、食品は直射日光を避け、冷暗所に保存する必要がある。

糖質、脂質、タンパク質からの生成に広くかかわっているビタミン。運動したり、肉体労働をする人は、ビタミンB2の必要量が増加する。不足すると、代謝に支障をきたすため、成長期の子どもや、妊婦は特に気をつけて摂取する必要がある。

不足すると、皮膚や粘膜が敏感になる。口内炎や口角炎、舌炎、口唇炎ができやすく、肛門や陰部がただれやすくなる原因となる。目が充血したり、肌荒れや髪の毛が傷んだり、脂漏性皮膚炎を起こしたときも、ビタミンB2不足が考えられる。

過剰摂取による副作用はないという意見もあれば、1日30mgの投与により、吐き気、嘔吐があるとの報告もあり、意見が分かれている。

ビタミンB2は、主に動物性の食品に多く含まれているが、植物性食品では納豆に多く含まれる。大豆そのものにはビタミンB2はあまり含まれていないが、納豆菌がビタミンB2を作り出している。

ビタミン13種類(解説)

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ビタミンB6(ビタミンB群)

  • 化学名
    • ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサール/水溶性ビタミン
  • 1日の所要量
    • 男性1.6mg、女性1.2mg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • タンパク質や脂肪の代謝を促進。つわりや妊娠中毒症などに効く。
  • ビタミンB6を多く含む食品/100gあたり
    • かつお:0.76mg
    • まぐろ:0.85mg
    • 白さけ:0.64mg
    • さんま:0.51mg
    • 牛レバー:0.89mg
    • ブロッコリー:0.27mg

ビタミンB群は、互いにかかわりあって働く特徴がある。ビタミンB6が活性型に変わるときはB2を必要とし、アミノ酸の一つであるトリプトファンからナイアシンが合成されるときはB6が必要になる。言いかえれば、B2が欠乏すればB6も不足し、B6が不足すればB2も欠乏してしまうということになる。

ビタミンB6はタンパク質の成分であるアミノ酸の合成や、タンパク質の合成を促す酵素の補酵素として働く。タンパク質を多量に摂取した場合、体タンパク質の合成に使われなかったアミノ酸は、分解してエネルギーとして使われる。その過程でビタミンB6が必要になる。したがって、タンパク質を多く取る人ほどビタミンB6の必要量が増えることになる。

また、ビタミンB6が不足すると、神経の働きをスムーズにするアミノ酸代謝が円滑に行なわれず、うつ症状や不眠症になることもある。さらに、脂質の代謝が悪くなり、動脈硬化を招く危険性もある。

ビタミンB6は食品から摂取するだけではなく、腸内細菌によっても合成されるため、欠乏症は起こりにくいといわれている。ただし、抗生物質を長期間服用していると、腸内の細菌が育たなくなり、皮膚炎や貧血など、いわゆる欠乏症が起きることがある。また、妊娠中やピル常用者もホルモンの関係で通常より多くのビタミンB6が必要とされる。あと、月経前 の体のだるさや頭痛など、月経前症候群を緩和する働きもあり、「女性のためのビタミン」ともいわれている。

ビタミン13種類(解説)

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ビタミンB12(ビタミンB群)

  • 化学名
    • コバラミン/水溶性ビタミン
  • 1日の所要量
    • 男女とも2.4µg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • 末梢神経に作用し肩こりや腰痛を緩和。精神安定。
  • ビタミンB12を多く含む食品/100gあたり
    • 牛レバー:52.8µg
    • 鶏レバー:44.4µg
    • 牡蠣(カキ):28.1µg
    • さんま:17.7µg
    • あさり:52.4µg

ビタミンB12は動物性の食品に含まれているため、完璧な菜食主義者はサプリメントやビタミン剤などで補給する必要がある。

ビタミンB12は、葉酸とともに遺伝子を構成する核酸の合成にかかわっている。そのため脊髄で赤血球を作る働きを助ける作用があり、葉酸やB12は「造血のビタミン」と呼ばれる。ビタミンB12が不足して起こる貧血は「悪性貧血」とされ、それは赤血球の形成や再生がうまくいかないことによって起こる貧血で、鉄分不足の貧血と区別されている。

ビタミンB12不足によって貧血が起こると、全身のだるさやめまい、動悸、息切れが起き、さらに神経が過敏になったりふさぎ込むといった、神経や精神にかかわる症状も起こってくる。

また、ビタミンB12は中枢神経や脳への作用も認められており、不眠症や時差ぼけにも効果があるとされる。

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ナイアシン(ビタミンB群)

  • 化学名
    • ニコチン酸、ニコチン酸アミド/水溶性ビタミン
  • 1日の所要量
    • 男性16mg、女性13mg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • 糖質、脂質、アルコールなどの体内のあらゆる代謝を整える。
  • ナイアシン酸を多く含む食品/100gあたり
    • たらこ:49.5mg
    • かつお:19.0mg
    • むろあじ:15.2mg
    • まぐろ:14.2mg
    • 落花生(乾):17.0mg

ナイアシンは植物性食品にも動物性食品にも多く含まれている。特に肝臓などを含む肉や、かつお、ぶり、さばなど日本の食卓におなじみの魚、そして豆類や果実類に豊富である。他にも牛乳や緑黄色野菜、コーヒーや紅茶にも含まれている。また、ナイアシンは、お湯に溶けやすい性質があるので煮物料理などは、煮汁に栄養素が70パーセントほど含まれて いると思えば良い。

ナイアシンは、糖質、脂質、タンパク質などの代謝に欠かすことのできないビタミンである。また、アルコールや二日酔いのもととなるアセトアルデヒドの分解にも欠かせない栄養素である。アルコールを大量に飲む人はナイアシンの摂取を心掛けると良い。このほか、皮膚の機能を正常に保ったり、脳神経の働きを助ける。

ナイアシンが欠乏すると、ペラグラという皮膚病を引き起こす。これがさらに悪化すると、胃腸障害や精神障害も出てくるとされている。ペラグラ皮膚炎の症状は、日光に当たる部分に発症し、日焼けしたように赤く、熱く、かゆくなり、水疱ができて、やがてかたくなってひび割れが起こる。

胃腸症状は、まず食欲不振となり、吐き気や腹痛を起こし、やがて下痢と便秘が交互にきて、しだいに慢性の下痢となる。歯肉がただれたり舌が赤く腫れたりする発赤腫脹という症状もある。精神的な症状としては、イライラしたり、不眠や不安になり、頭痛やめまいが起きる。やがて痴呆や知覚障害、幻覚などの症状が現れるようになる。

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パントテン酸(ビタミンB群)

  • 化学名
    • パントテン酸/水溶性ビタミン
  • 1日の所要量
    • 男女とも5mg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • 糖質や脂質のエネルギー変換、ストレスに対処する副腎皮質ホルモン促進。
  • パントテン酸を多く含む食品/100gあたり
    • 鶏レバー:10.10mg
    • 豚レバー:7.19mg
    • 牛レバー:6.40mg
    • 子持ちがれい:2.41mg
    • 落花生(乾):2.56mg
    • にじます:2.36mg
    • ブロッコリー:1.12mg

パントテン酸は様々な食品に含まれ、腸内細菌の働きで合成することもできるので、極端に栄養状態が悪くならない限り、ほとんど欠乏することはない。ただし、アルコールやカフェインはパントテン酸を消耗してしまうので、お酒やコーヒーをよく飲む人は多めに摂取したほうが良い。

パントテン酸は、ストレスの多い現代人には欠かすことのできない栄養素である。疲れやすい、怒りっぽい、昼間から眠たい、カゼをひきやすいなどの症状はストレスと大いに関係があるとされている。これらの症状を自覚する人は多めに取りたいビタミンである。パントテン酸に過剰症はみられない。

また、パントテン酸は、脂質、糖質、タンパク質などを、エネルギーに変えるために必要不可欠な補酵素CoAの主成分である。不足すると、アセチルCoAの不足からアセチルコリンやステロイド性のホルモンの生成が低下するとされている。

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葉酸(ビタミンB群)

  • 化学名
    • プテロイルグルタミン酸/水溶性ビタミン
  • 1日の所要量
    • 男女とも200µg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • 造血作用や細胞の新生、増殖を助ける。
  • 葉酸を多く含む食品/100gあたり
    • 鶏レバー:1300µg
    • 牛レバー:1000µg
    • 豚レバー:810µg
    • 菜の花:340 µg
    • 枝豆:260µg
    • ブロッコリー:210µg

葉酸は野菜に多く含まれているが、葉酸だけでは働かないという特徴がある。ビタミンはそれぞれが協力し合って働いているが、葉酸は特にビタミンB12と密接な関係があるから、野菜や果物から葉酸を取ると同時に、動物性の食品に多く含まれるビタミンB12も取るなど、バランスが大切になってくる。

赤血球はおよそ4ヵ月で生まれ変わるが、葉酸は細胞分裂に重要な役割を果たしており、新しい赤血球を作るために必要な栄養素である。不足すると正常な赤血球が作れず、鉄分の不足による貧血とは異なる、悪性貧血の原因となる。

また、遺伝情報がつまった核酸の成分の一つにDNAがあるが、葉酸はその核酸の合成に働く酵素の補酵素として、細胞の分裂や成熟に大きな役割を果たす。同様に、葉酸はアミノ酸の合成にも欠かせない物質で、細胞の新生や増殖に活躍している。ほかにも、抗体の産生、神経細胞や脳の神経伝達物質の産生を助ける。

葉酸が不足すると、核酸が合成されずDNAの形成や細胞分裂が阻害されてしまう。あと、口内炎、舌炎、胃、十二指腸潰瘍になる危険性もある。特に妊婦には、胎児の成長のためにも欠かせない栄養素であるため、妊娠中、授乳中も葉酸を意識的に摂取することが大切である。妊婦の場合は、所要量の2倍の400µgは必要だといわれている。

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ビオチン(ビタミンB群)

  • 化学名
    • ビオチン(別名ビタミンH)/水溶性ビタミン
  • 1日の所要量
    • 男女とも30µg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • 体内の様々な代謝を助ける。皮膚炎予防、筋肉痛緩和。
  • ビオチンを多く含む食品
    • 鶏レバー、牛レバー、豚レバー、いわし、落花生

ビオチンは多くの食物に含まれているので、普通に食事をしていれば不足することはない。ただし、生の卵白に含まれるタンパク質は、ビオチンの吸収を阻害する。生卵を毎日10個食べ続けると、皮膚炎、舌炎、倦怠感、幻覚、筋肉痛、疲労感が起こるといわれるが、普通に食べている限りは問題はない。

皮膚炎を予防することから発見されたビタミンで、糖質のエネルギー代謝、脂肪酸やアミノ酸代謝、核酸生成などを助け、生命活動に不可欠な補酵素。ビオチンが不足すると、脱毛しやすく、早く白髪になる傾向がみられたり、湿疹や、脂漏性皮膚炎も現れる。さらに疲労感や憂鬱、脱力感に陥ったりすることもある。過剰症の報告はない。

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ビタミンC

  • 化学名
    • アスコルビン酸/水溶性ビタミン
  • 1日の所要量
    • 男女とも100mg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • 抗酸化作用で生活習慣病を予防。免疫力を高める。発がん物質を抑える。ストレスに対抗する力を作る。コラーゲンの生成を促進する。
  • ビタミンCを多く含む食品/100gあたり
    • アセロラ:1700mg
    • グアバ:220mg
    • 赤ピーマン:170mg
    • 菜の花:130mg
    • パセリ:120mg
    • いちご:62mg
    • ネーブルオレンジ:60mg
    • 大根:53mg
    • トマト:15mg

ビタミンCは、温度や湿度、光や紫外線の影響を受けやすく、とても壊れやすい性質がある。水にも溶けやすい栄養素であり、調理法や保存法に気をつけなければいけない。また、酸化しやすく時間の経過とともに、減少率が高まっていく。例えばおろし大根のビタミンCは、2時間後には半減してしまう。果物も皮をむいたらすぐに食べたほうがよい。

ビタミンCを摂取したほうがよい人

  • 煙草をよく吸う
  • 睡眠時間が短い
  • アルコールの摂取が多い
  • ダイエットをしていたり極端な偏食がある
  • インスタント食品や外食が多い
  • 激しい運動や肉体労働をしている
  • ストレスを感じている

ビタミンCは、肌や骨、血管、ストレス、風邪などあらゆる悩みを解決するパワフルなビタミンである。細胞と細胞をつなぐコラーゲンの生成を促進するので、強い歯ぐきや血管、骨や筋肉などの各器官をつくる。そのことから美肌効果が現れるため、女性には特に人気があるビタミンである。

コラーゲンの生成が不完全になると、細胞の結合が弱まり骨や血管がもろくなって、歯ぐきや内臓から出血が起こり、やがて死に至るという壊血病を招く。またコラーゲンは、傷の修復にも貢献し、ゲガをした際にも有効である。

免疫力を発揮する主役である「白血球」も、ビタミンCによりその働きを強化することができる。風邪がはやっている時期にビタミンCを多く摂取すると、風邪をひきにくく、もしひいてしまっても、早く回復することができる。

ビタミンCは発がん物質を抑制し、抗がん物質の生成を促進する働きがある。例えば、抗がん作用があるとして知られるインターフェロンは、体内でつくられるものだが、ビタミンCがこの物質の生成を促進するといわれている。

また、抗ストレスビタミンとしても、活躍している。ストレスが生じると抗ストレスホルモンのアドレナリン作りにCが大量に使われるため、普段ストレスの多い生活をしている人は、ビタミンCをしっかり補給したい。

ほかにも、しみやそばかすのもとになるメラニン色素の生成を抑えたり、鉄や銅の吸収を促進して赤血球の合成を促す、コレステロール値を下げるなど、ビタミンCの役割は多様である。

このようにビタミンCは、がんやストレス、風邪だけではなく、美容にも効果があり、しかも大量に取っても体に蓄積されないということで、食生活や生活習慣が大きく変化した現代では、ビタミン剤などによる積極的な摂取を推奨されている。

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ビタミンD

  • 化学名
    • エルゴカルシフェロール(D2)、コレカルシフェロール(D3)/脂溶性ビタミン
  • 1日の所要量
    • 男女とも2.5µg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • カルシウムの吸収を促し骨や歯を丈夫にする。
  • ビタミンDを多く含む食品/100gあたり
    • くろかじき:38µg
    • 白さけ:32µg
    • 身欠きにしん:50µg
    • あんこう(肝):110 µg
    • かわはぎ:43µg

ビタミンDにはD2からD7まで6種類あるが、D4からD7まではビタミンの効力が低いため、通常ビタミンDというとD2とD3をさす。D3は紫外線が皮膚に当たることによって合成されるので、日ごろ日光に十分当たっている人は、食事からの摂取を気にする必要はないとされる。だが、あまり真っ黒に日焼けすると、逆にビタミンDの合成能力が落ちて しまう。また、オゾン層の破壊によって紫外線が皮膚がんの原因になったり、肌の老化を進めるなど、なにかと問題も出ているので、安心して日光浴をすることもままならない時代ではある。

カルシウムがきちんと摂取され、ビタミンDが正常に働いていると、歯や骨を健康に保つことができる。現代人が弱いとされる骨密度も、十分な量のカルシウムとビタミンDを摂取することで、高めることができる。

ビタミンDが不足すると、乳幼児はくる病、大人では骨粗鬆症になる。くる病は足の骨や肋骨などあらゆる骨が変形し、曲がってしまう病気である。一方の骨粗鬆症は、骨がやわらかくなって変形し、やがて脊椎が湾曲する病気で、大人のくる病ともいわれている。骨粗鬆症は、骨の中がスカスカになり、ちょっとしたことでも骨折しやすくなる病気で、閉経後の女性や高齢者に多くみられる。

ビタミンDとカルシウムの摂取不足は、血管にカルシウムが沈着しやすくなり、動脈硬化を早める心配があるといわれているが、過剰に取りすぎた場合も、血管壁や臓器にカルシウムが沈着しやすくなる。特に腎臓にカルシウムが沈着すると、尿毒症を引き起こし、命にかかわることもあるので注意が必要である。

ほかにも過剰摂取で食欲不振や嘔吐、便秘などの症状が現れることがある。ただしこれらの症状は、1日の所要量の10倍以上を摂取した場合であるので、一般的な食生活であれば問題はない。

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ビタミンE

  • 化学名
    • トコフェロール/脂溶性ビタミン
  • 1日の所要量
    • 男性10mg、女性8mg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • 抗酸化作用で生活習慣病や老化を防ぐ。更年期障害を緩和する。
  • ビタミンEを多く含む食品/100gあたり
    • アーモンド:29.6mg
    • ヘーゼルナッツ:19.0mg
    • サラダ油:19.0mg
    • マヨネーズ:17.7mg
    • たらこ:7.1mg
    • 西洋かぼちゃ:5.1mg
    • うなぎの蒲焼き:4.9mg
    • にじます:1.2mg

ビタミンEはアーモンドや落花生などのナッツ類や、ひまわりの種などの種実からとった植物油に多く含まれる。植物油で気をつけなければいけないのは、酸化しやすいので長期保存は避けること。特に加熱したものの酸化は早いので、揚げ物に使った油は炒め物などに使い、できるだけ早く使いきる。古い油は過酸化脂質があるため、かえって老化を早める原因となってしまう。あと、かぼちゃやほうれん草などの野菜類にもビタミンEは含まれているが、ビタミンEは脂溶性のため、野菜は油で炒めて食べると吸収力がアップする。

ビタミンEは強力な抗酸化作用をもち、老化の原因となる過酸化脂質を防ぐ。食べ物が酸化するのと同じように、体内でも生体膜や細胞の不飽和脂肪酸によって酸化が起き、過酸化脂質を作る。これが増えると体の機能が低下し、病気や老人性のシミや白髪などの老化現象を招く。

たとえば、動脈硬化は血中コレステロールが酸化したものが血管壁につき、血液の流れが悪くなることが原因となる。さらに悪化すると脳梗塞や心筋梗塞にもなりかねない。これらの病気もビタミンEの抗酸化作用で予防できるとされている。

また、ビタミンEは生殖ホルモンと深い関係にあり、不妊治療の際、排卵誘発剤と併用すると妊娠する可能性が高まるという報告もされている。これは、Eが副腎や卵巣にたくわえた女性ホルモンや、男性ホルモンなどのステロイドホルモンの代謝に関与するためである。

女性特有の悩みである、月経前のイライラや生理痛、生理不順を改善し、年配の女性に起こる更年期障害も、ビタミンEの補給により緩和されるといわれている。女性だけでなく、男性もビタミンEによって精子の数を増やし、精子の運動力をアップさせるなど、精力を高める効果があるといわ れている。

ビタミンEの過剰症にならないための許容上限摂取量は、1日の所要量が600mgまでと定められているが、実際には所要量(男性10mg、女性8mg)の100倍の摂取までは安全ともいわれている。食品で取るなら問題はないが、ビタミン剤の場合は注意が必要である。

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ビタミンK

  • 化学名
    • フィロキノン(K1)、メナキノン(K2)/脂溶性ビタミン
  • 1日の所要量
    • 男性65µg、女性55µg(30~49歳の場合)
  • 効能
    • 骨へのカルシウム沈着や、血液の凝固作用を保つ役割もある。
  • ビタミンKを多く含む食品/100gあたり
    • 納豆:870µg
    • あしたば:500µg
    • つるむらさき:350µg
    • かぶ(葉):340µg
    • おかひじき:310µg

ビタミンK1は、緑黄色野菜に多く含まれているが、太陽の光がたくさん当たった外側の部分に、特に多く含まれている。キャベツやレタスなどを食べるときは、できるだけ外葉を食べるとよい。野菜以外では海藻や緑茶に豊富である。ビタミンK2は、牛乳、乳製品、肉、卵、果物など に含まれているが、納豆などの発酵食品には特に多く含まれている。

ビタミンKは、必要に応じて血液の凝固や、凝固を抑制する働きを補酵素として助けている。ビタミンKをきちんと摂取することで、月経過多や潰瘍による出血、血尿や血便など、出血を伴う病気の緩和に役立つ。

ビタミンKのもう一つの役割は、カルシウムの代謝に関与することである。ビタミンDは必要に応じて骨から血液中にカルシウムを送り出したり、尿中に排出されないように再吸収する役割を果たすが、ビタミンKは骨からカルシウムが排出されるのを抑制している。もしビタミンKが不足すると、骨に十分なカルシウムが取り込まれず、骨がもろくなってしまう。

ビタミンKの所要量はわずかで、大半は腸内細菌によって合成されるので、欠乏症を心配する必要はないとされるが、新生児や乳児はまだ腸内細菌の働きが発達していないので、補う必要がある。特に母乳で育てている母親がビタミンK不足だと、赤ちゃんに欠乏症が出る可能性がある。これは新生児出血症といわれ、便が黒っぽくなる消化管出血が起こったり、まれに頭蓋内出血があるので気をつける必要がある。

大人になってからビタミンKが不足すると、けがや内出血などの出血時に血液が止まりにくくなったり、鼻血が出やすくなったりする。またカルシウムの代謝がうまくいかず、骨がもろくなる。 大人の場合、腸内細菌からの供給があり、不足はないといっても、長年抗生物質を飲んでいる人は、腸内細菌からの供給は期待できない。

過剰症の心配はないとされているが、通常の50倍以上摂取したときは、貧血や血圧低下、嘔吐、呼吸困難などの症状が出ることがある。ただし、食事から摂取しているぶんには問題はないといえる。

ビタミン13種類(解説)

ビタミンA¦ ビタミンB1¦ ビタミンB2¦ ビタミンB6¦ ビタミンB12¦ ナイアシン¦ パントテン酸¦ 葉酸¦ ビオチン¦ ビタミンC¦ ビタミンD¦ ビタミンE¦ ビタミンK




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