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元レンジャー隊員のブログ

雷に遭遇したら

雷雲の移動は時速10~20kmと、自転車並みのスピードである。上空 3000~4000mを流れる気流に乗って移動することが多い。

避雷法

まず屋内では、電気配線、柱や壁から1m以上離れること。 鉄筋コンクリートの建物や自動車の中でも、壁面から離れたほうが安全だ。

雷が近づいてくるにしたがって、AM波のラジオ電波に雑音が入るように なる。明瞭に雑音が入るようになったら、雷が約50kmに近づいている と考えたほうがよい。ゴロゴロという雷の音が聞こえてくるのは約10km の範囲だ。雷雲の大きさは約10kmであり、落雷の電流は水平に10km も走る場合もあるから、頭上に雷雲が来ていなくても落雷の危険がある。

雷雲の移動は時速10~20kmであるから、ラジオに雑音が入るように なってから、雷鳴音が聞こえるようになるまでには90分間ほどの余裕 がある。この間に避雷対策をしたい。

屋外で雷に遭遇した場合の避雷方法は、広い野原のような平坦な場所で 雷に遭った場合、できるだけ姿勢を低くしていること。傘や釣竿、ゴルフ クラブなどを体よりも高く突き出さないこと。よくいわれるように金属類 を体から外すというのは安全対策にならない。

傘や釣竿などが頭上にでていると、ただ立っているときよりも、さらに 危険度が増すから、直ちに地面に置くなどしなければならない。また、 ゴム長靴やレインコートは避雷の役には立たない。

屋外で不幸にして雷に遭遇してしまったら、まず姿勢を低くし、体より 高く物体を突き出さないようにしながら、落雷の合間をぬって安全な 場所に移動する。落雷と落雷の間には1分以上の間隔があるので、その 時間を避難に利用する。

ゴルフクラブ、金属バット、釣竿、傘などの長い金属物体は、手放すほう がよいが、やむをえず持つときは頭より低く持つこと。また体と平行に 持っていれば避雷ケーブルと同じ安全効果があって、万一、落雷を受けた ときに命が助かる可能性がある。

安全な場所とは、自動車、バス、列車などの中である。建物の中も安全 だが、アンテナケーブルからは1m以上離れること。二輪車からは2m 以上離れること。キャンプに使われるテントも、雷の電気を防ぐことは できない。テントから出て避難しなければならない。

安全な場所が遠い場合、周囲を見まわしてあいにく高いものがなければ、 その場でできるだけ姿勢を低くする。できれば窪地か4m以上の高さの 木などを探して避難すること。高さ4m以下の樹木には近づかないこと。

山の頂上付近や樹木がない岩場、稜線は非常に危険なので、できるだけ 早く遠ざかり、窪地に入って低い姿勢をとることが必要だ。

平地で安全な場所は、「5mの高さの木」の場合、幹から2m以上で木の てっぺんから45度の5m以内の範囲では、今までの調査によると、 直撃事故がなく、安全圏内だといわれる。ただし、幹だけでなく枝から も2m以上離れていなければならない。木は、雨宿りをするという理由で 安易に利用してはいけない。

また、送電線の下も直撃を避ける安全圏内が存在する。その範囲とは、 電線の下45度の範囲で電線に沿って安全なベルト地帯だとされる。




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