異常気象その2
太陽活動
地球環境の源は、太陽であるといえる。天気も地球環境の一部だから、 太陽活動がいつもと異なってくれば当然影響を受け、気象も明らかに異常 になる。たとえば太陽の黒点数は11年周期で増えたり減ったりしてい るが、増加しているときは太陽活動が活発化して地球の気温も上昇する。 ちなみに黒点数の推移を見ると、たとえば1990年はその前後の年に かけて黒点数の極大期だった。それから下降を続け、1996~1997 年ごろを最低に上昇期へと移行し、2001年とその前後の年に極大期 となって新たなサイクルに入っている。
火山噴火
大きな火山噴火があると、大量の火山灰や亜硫酸ガスなどが上空に舞い 上がり、これが地球全体を日傘のように覆ってしまうため太陽の熱が届 かなくなり、地球の温度を下げてしまう。これは「日傘効果」と呼ばれて いる。1991年6月に起きたフィリピンのピナツボ火山噴火の翌年、 1992年は北半球の気温が下がり異常気象が起こった。日本でも北日本 と西日本では、低温傾向と日照不足の不順な夏となった。これをうけ 1993年には我が国は米不足に陥り、米の緊急輸入に至っている。
雪氷面積
雪や氷は太陽光線を反射するため、地面は暖まらない。もし南極、北極 やシベリアなどの雪や氷の量(面積)が小さくなると、太陽光線の反射 が少なくなり気温が上がる。そして雪氷面積がさらに小さくなって、 地球的な規模で気候が変化すると考えられている。
温室効果
空気中に二酸化炭素が増えすぎると、地球全体が大気ごと二酸化炭素の 層にくるまれたようになる。二酸化炭素の層は地表面から宇宙へ逃げて いこうとする赤外線を吸収するため、地球の放熱はさえぎられ、大気の 温度はしだいに上がっていく。二酸化炭素の層が温室のガラスの役割を はたすため、その中に閉じ込められてしまった地球の気温は上昇する ばかりとなる。これを「温室効果」という。
二酸化炭素の急激な増大は、自然に起こるものではない。人類は産業革命 以後、機械文明が発達し、世界中でばく大なエネルギーが消費されるよう になった。そして二酸化炭素の排出量が急増した。しかも二酸化炭素を 吸収する森林資源を大量に伐採してきている。
地球規模で気温が上昇すると、海水の膨張や氷河などの融解により海面 が上昇したり、気候メカニズムの変化により異常気象が頻発する恐れが あり、ひいては自然生態系や生活環境、農業などへの影響が懸念されて いる。
オゾン層の破壊
上空約10~50kmにあるオゾン層は、成層圏にあって太陽の有害光線 である紫外線を吸収している。紫外線は地球の生物にとってある程度は 必要な光だが、一定以上増えると深刻な問題となる。オゾン層の減少 に伴い、強く紫外線が降り注ぐ地域では皮膚がんが増えたといわれて いる。オゾン層がなければ100パーセントの紫外線が地上に届き、 そのような環境では多くの生物は生きていくことができない。