昼間に天気を読む
巻雲
巻雲が時間とともに広がって巻層雲や高層雲に変わり、雲が厚くなって
くる場合は、巻雲が出てから雨が降り出すまでは、12~24時間が
目安だ。
ただし、晴れが継続する巻雲もある。移動性高気圧の接近や、太平洋高
気圧に広く覆われるなど気候的に安定した時期に発生する巻雲もある。
巻積雲
巻積雲が出ているときは、上空の大気が不安定で、低気圧の接近を知ら せていることが多い。この雲は変化が早く、やがて巻層雲や高層雲へと 変わっていく。巻層雲などの「高層の空に現れる雲」へ変わる場合は、 変わったときから雨までの時間が16時間以上あるが。高層雲などの 「中層の空に現れる雲」へ変わった場合は、その時点から6~12時間 後には雨となる確率が高い。
巻層雲
昼間、太陽の周りに光の輪が出ているのを見ることがある。空に巻層雲 が広がっているために起こる現象だ。この光の輪を暈と呼ぶ。暈は完全 に丸い形になっていることもあれば、円の一部分だけが現れている場合 もある。
巻層雲が現れてから、この雲が厚くなる変化をする場合は、低気圧が 接近し、やがて雨になることを示している。台風などの急速な天気変化 の場合を除き、巻層雲に暈を観測して、雲が厚くなることにより暈が消失 してから雨になるまでには約20時間ある例が多い。
梅雨や秋雨などのぐずつき型の雨を除き、低気圧や前線が通過すること による雨の例では、その持続時間は4~5時間程度であることが多い。 この場合、暈が消えてから雨が上がるまでは、ほぼ24時間になる。 午前中の暈なら、だいたい翌日の午後には雨が上がり、早朝の暈なら翌日 の朝には雨が上がるという計算になる。「太陽が上がるときに暈があれば 翌日は晴れる」という天気のことわざもある。
もちろん、天気変化の速度によって時間的にかなりの開きがでるため、 その後の雲の変化を見て判断しなければならない。
高積雲
高積雲が出るのは、その高さで空気の上下運動が盛んになっている証拠 だ。この雲が出るのは低気圧や温暖前線の周辺で、高積雲の雲の下に積雲 や層積雲の雲片が出はじめたら雨の前兆であり、降っていた雨が小やみに なって、わずかな雲の切れ間から上空に高積雲が広がっているのが見え たら雨が上がる前兆だ。
レンズ雲
レンズ雲を見たら、いま現在は地上の風がさほど強くなくても、上空では 強い風が吹いているしるしで、やがて強い地上風が吹く。強風に対する 備えが必要だ。天気は崩れて雨になることが多い。レンズ雲の形が崩れ、 高層雲に変わったら6時間ほどで雨になることが多い。レンズ雲は見かけ上では同じ場所に浮かんでいるが、雲を構成している 雲粒は風上から風下へと移動し、常に入れ代わっている。雲そのものが 移動しないのは、地形の影響を受けてできたり消えたりする雲だからだ。
最もレンズ雲らしいのは高積雲-レンズ雲で、とくに山の山頂上空に発生 するものを一般的に笠雲と呼んでいる。また、巻積雲や層積雲にもレンズ 雲は発生する。