雪崩
雪崩が起こるのは春先ばかりではない。日本海側の山では、西高東低の 強い冬型の気圧配置でたくさんの新雪が降ったときには、表層雪崩が 起きやすくなる。また、太平洋側の山で本州の南岸を低気圧が通って 湿雪が降ったときに要注意となる。
スキーで登れないくらいの斜面(約25度以上)に15cm以上の新雪が 積もったときは危険である。また露営する場合には、沢の本筋から遠い 場所を選ぶこと。表層雪崩の危険地帯に入るときや新雪の斜面を登る ときには、雪の締まっている夜間や日の出前に出発するするようにし、 ピッケルやストックで雪の状態をよく確かめて行動する。天気の悪化は 即、雪崩警報が出たものと考える。また、降雪日と翌日は斜面の上り 下りをやめたほうがいい。
冬山の雪崩は表層雪崩が大部分だといわれている。冬山で事故に遭わ ないために、天気の変化や積雪の状態には十分注意したい。
一方、春先に気温が上昇して起きるのは底雪崩である。きっかけは雨、 突風、雷などのほか、動物の動き、列車の振動、ジェット機の衝撃音、 工事の発破のわずかな空気振動などが原因となる。
冬から春にかけ、低気圧が日本海に現れて、気温が急に平年より大幅に 高くなると全層雪崩の危険が高くなる。雪の上を歩いているときにグッ というような低音が聞こえたり、雪面に割れ目があったり、足元が沈む ような感じがしたら早急に避難しなければならない。また、雪崩が自然 発生するのを見たり、形跡を発見したら、今自分がいる近くでも起こる 可能性があるものと考える。