秋雨前線
夏が過ぎると、日本列島は再び長い雨期に入るとこがある。夏にがん ばっていた太平洋高気圧が南海上に退き、シベリア方面から冷たい 高気圧が日本海に南下すると、日本の南岸で前線が停滞する。これが 「秋雨前線(あきあめぜんせん)」である。夏の間に北のほうに押し上 げられていた梅雨前線が、太平洋高気圧の退場とともに再び日本南岸 に南下してきたのである。
日本ではほかに、3月に「菜種梅雨(なたねづゆ)」、5月に「卯の花 腐し(うのはなくたし)」、11月に「サザンカ梅雨」などというように 季節の変わり目によく長雨が降る。
これは高気圧が北にかたよって、本州付近に張り出したときにできる 前線の影響だが、こうした多雨に日本の米の文化、木の文化は支えられ ている。