台風
熱帯の海で発生する低気圧は、世界中の海をかけめぐり、さまざまな 名前で恐れられている。そのうち日本を含めた北太平洋西部を襲うもの が台風(Typhoon)である。
台風は、巨大な空気の渦巻きだ。渦の中心には「目」と呼ばれる雲の ない場所があり、その周りを雲の壁が取り巻いている。壁の外側には 何本もの、らせん状の雲の帯が広がっている。
台風が近づくと台風独特の雲や雨の変化が現れる。今、台風が南西に あり、これから北東へ進み台風の中心が頭上を通過していくとするなら、 まず初めに現れるのが巻雲だ。東西に長い尾を引いたような形の巻雲が 南東から北西へ移動するのが見られ、下を積雲が同じ方向へ進む。やが て積雲の大きさが増し、大きい積雲の下では局地的な雨がぱらつく。 この雲が台風の中心付近から、らせん状に伸びている雲で、その一番 外側の1本目が通過していく。
らせん状の雲の通過が数回あって、巻雲は高層雲に変わる。一方、積雲 は「並み」から「雄大」に変わり、南風が強まって強いにわか雨も降る。 野外活動では避難態勢が必要だ。さらに台風が接近すると、台風本体の 雲がかかり乱層雲におおわれる。台風の中心から200~300kmでは 中心を取り巻く雨雲から強い雨が降る。台風の目に入ると突然、風雨が やんで青空が現れる。
日本では9月は本格的な台風シーズンで、17日と26日は大型台風 の襲来しやすい特異日(統計的にある気象状態が高い確立で現れる日) といわれている。