集中豪雨
短時間に多量の雨が、狭い地域に降る現象を「集中豪雨」という。多量の 雨が降ることは通常「大雨」と表現するが、「豪雨」は多量の雨で大きな 災害が発生した場合に用いられている。豪雨は災害をもたらした雨を、 あるまとまった地域でとらえ、また降り始めからの一連の降雨としてとら えるときに使われる言葉である。
集中豪雨は、
- 水蒸気を多量に含む空気が次々とその場所に流れ込む条件があること
- その地域に強い上昇気流があり、それが長時間持続状態にあること
- 上昇気流の発生場所が移動しないため雨域も移動しないこと
などの条件が重なっている場所に発生する確率が高い。水蒸気を含んだ 空気が山地を越えるとき、空気は地形によって強制的に上昇させられる。 上昇することにより空気の温度が下がり、雲が発生する。このとき空気中に 含まれる水蒸気の量が多いと雨雲になり、雨量も多くなる。台風がもたらす 暑い湿った南風による大雨は、このようにして発生した地形性の大雨で あることが多い。
また、梅雨明け前に発生する雷を伴った集中豪雨は、日本の南西から 吹いてくる湿った風により引き起こされている。各地で豪雨をもたらし ながら、長い梅雨が終わって次に真夏がやってくる。