スーパーらの職業的発達段階
成長段階(誕生~14歳)
自己概念は、学校と家庭における主要人物との同一視を通して発達する。欲求と空想はこの段階の初期において支配的である。興味と能力は社会参加と現実吟味の増大に伴い、この段階でいっそう重要になる。この段階の副次段階は、
空想期(4~10歳)
欲求中心・空想のなかでの役割遂行が重要な意味をもつ。
興味期(11~12歳)
好みが志望と活動の主たる決定因子となる。
能力期(13~14歳)
能力にいっそう重点が置かれる。職務要件が考慮される。
探索段階(15~24歳)
学校、余暇活動、パートタイム労働において、自己吟味、役割試行、職業上の探求が行なわれる。探索期の副次段階は、
暫定期(15~17歳)
欲求、興味、能力、価値観、雇用機会のすべてが考慮される。暫定的な選択がなされ、それが空想や討論、課程、仕事などのなかで試みられる。
移行期(18~21歳)
青年が労働市場または専門的訓練に入り、そこで自己概念を充足しようと試みる課程で、現実への配慮が重視されるようになる。
試行期(22~24歳)
表面上適切な分野に位置づけられると、その分野での初歩的な職務が与えられる。そしてそれが生涯の職業として試みられる。
確立段階(25~44歳)
適切な分野が見つけられ、その分野で永続的な地歩を築くための努力がなされる。この段階の初めにおいて若干の試行がみられる場合がある。その結果、分野を変える場合があるが、試行なしに確立がはじまるものもある。とくに専門職の場合がこれである。この段階の副次段階は、
試行期(25~30歳)
自分に適していると考えた分野が不満足なものだとわかり、その結果、生涯の仕事を見出さないうちに、あるいは生涯の仕事が関連のない職務のつながりだということがはっきりしないうちに分野を1~2回変更することとなる。
安定期(31~44歳)
キャリア・パターンが明瞭になるにつれて、職業生活における安定と保全のための努力がなされる。多くの人にとって、この時代は創造的な時代である。
維持段階(45~64歳)
職業の世界である地歩をすでに築いたので、この段階での関心はその地歩を保持することにある。新しい地盤が開拓されることはほとんどなくて、すでに確立されたラインの継続がみられる。
下降段階(65歳以後)
身体的、精神的な力量が下降するにつれて、職業活動は変化し、そのうち休止する。新しい役割が開発されねばならない。いわば最初は気が向いたときだけの参加者という役割、ついで参加者でなしに、傍観者としての役割をとるようになる。この段階の副次段階は、
減速期(65~70歳)
場合によっては公式の引退(定年)のときであり、ときには維持段階の後期にあたる。そして、仕事のペースは緩み、職責は変化し、ときには下降した能力に合わせて仕事の性質が変容する。多くの人は常用的な職業の代わりにパートタイムの職務を見出す。
引退期(71歳以後)
おのおのの年齢的限界については、人によって大きな違いがある。しかし、職業上の完全な休止はだれにもいずれやってくる。ある人にとっては気楽に楽しく、別の人には不愉快で落胆を伴って、あるいは死とともにやってくる。
職業生活の諸段階(Super & Bohn, 1970)